2011 Fiscal Year Annual Research Report
重度障害者のための自律動作する目入力方式による意思伝達装置の開発
Project/Area Number |
22500512
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
中村 清実 富山県立大学, 工学部, 教授 (20143860)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高野 博史 富山県立大学, 工学部, 講師 (40363874)
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Keywords | 画像認識 / 生体工学 / ユーザインタフェース / 医療・福祉 / リハビリテーション |
Research Abstract |
平成23年度では、目入力装置に必要となる目位置情報を得るために、パーティクルフィルタと勾配方向特徴量を用いた目検出法を意思伝達装置に実装した。また、目検出が可能となるサイズで顔画像が取得できるように、カメラレンズのズーム制御法について評価を行った。 (1)パーティクルフィルタと勾配方向特徴量を用いた目検出法の実装 目入力装置に必要となる目位置情報を得るために、意思伝達装置にパーティクルフィルタと勾配方向特徴量を用いた目検出法を実装した。目入力装置の操作性を低下させることなく使用するには、目検出の処理速度が67ms以下である必要がある。意思伝達装置に実装した目検出法の処理速度を調査した結果、パーティクルが目の位置に収束する前が85.4ms、収束後は20.4msであった。また、パーティクルが収束するのに要する時間は平均で193.3msであった。以上より、パーティクルが目の位置に収束した状態では、十分な処理速度が得られた。一方、パーティクルが収束するまでの過渡状態では処理速度が低下するが、収束するまでに要する時間が非常に短いため、目入力装置の操作性には影響を与えないものと考えられる。 (2)目入力装置のためのカメラズーム制御法の評価 カメラの取得画像より目を安定に検出するためには、適切な目のサイズになるようにカメラレンズのズーム倍率を調整する必要がある。そこで、顔検出により得られた画像上での顔幅と人体寸法データベースから求まる平均的な顔幅よりズーム倍率を算出し、ズーム制御を行う。ズーム制御の評価は、ズーム制御後、目検出が可能な虹彩サイズである38pixels(42pixels×0.9)以上になった場合をズーム制御成功と判断した。実験結果より、ズーム制御成功率は93.0%であり、精度よくズーム制御ができていることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目入力装置に使用する目検出法は、十分な処理速度を得ることができ、目入力に影響を与えないものと考えている。目検出のためのカメラ制御については、安定した目検出が行えるように精度よくズーム制御が行えることを示したが、目検出後、目の位置を画像の特定領域になるようにカメラの位置制御が必要となるかは、目入力装置の操作性評価を行う際に検討する。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、自律動作型意思伝達装置に実装した目検出法の検出性能評価と意思伝達装置の性能評価を行う。性能評価実験では、様々な年代の被験者に対して、システム全体のユーザビリティ(操作性)評価を実施する。
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