2012 Fiscal Year Annual Research Report
積雪寒冷地に生活する高齢者の歩容に関する生理的多型性と上肢・下肢協関メカニズム
Project/Area Number |
22500514
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Research Institution | Fuji University |
Principal Investigator |
金子 賢一 富士大学, 経済・経営システム研究科, 教授 (50337177)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 下肢協関 / 筋シナジー / 福祉工学 / 適応 |
Research Abstract |
近年,トレーニングによる運動制御の変化を筋シナジーから説明しようとする研究が行われるようになった.筋シナジーとは,複数の筋群が時間的・空間的にコヒレーントに活動することを言う.先行研究から,関節自由度が小さいぺダリング運動に関して,トレーニングを受けたサイクリストの下肢筋群の筋電図信号に非負値行列因子分析を施すことで,3つの筋シナジーが確認されている.本研究では,下肢筋群の中で,特に,筋シナジーへの寄与率が高く,かつ,被験者間変動が小さいとされる腓腹筋に着目し,筋電図信号にウェーブレット解析を行うことでトレーニング効果の特徴を明らかにした. [具体的な成果] 腓腹筋の筋電図信号に対して連続ウェーブレット変換を行った.サイクリストでは非サイクリストよりも全体的に低周波数領域での筋活動が認められた.特に,上死点から下死点までの踏み込み期で35Hz~45Hzの帯域にピークを持つ筋活動が認められた.この活動は腓腹筋を構成する筋線維の収縮様態がシンクロナイゼーションすることで生じる徐波化の影響ではないかと推察され,トレーニング効果を示す指標になり得る可能性が示唆された.次に,Daubechies離散ウェーブレット解析により得られたエネルギーEjについて,各周波数帯域ごとに比較した.二元配置分散分析を行った結果,周波数帯域の効果(F5,72=4.81, p<0.001)と被験者群の効果(F1,72=8.76, p<0.001)とで主効果が認められた.Tukey法による事後検定では,ミドルパワー負荷ペダリング時の4つの周波数帯域において1%有意で差が認められた.以上の結果より,筋シナジーを構成する寄与率の高い単一筋群を被験筋とし,筋電図信号にウェーブレット解析を施すことで得られる周波数とエネルギーの情報は,トレーニング効果を定量的かつ簡便に評価する尺度として有効であることを見出した.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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