2010 Fiscal Year Annual Research Report
計算機上の筋骨格を持つ人体モデルによる車いす座位保持装置設計システムの構築
Project/Area Number |
22500515
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
花房 昭彦 芝浦工業大学, システム理工学部, 教授 (10547839)
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Keywords | 福祉用具・支援機器 / 座位保持装置 / 人体モデル |
Research Abstract |
本研究の目的は,計算機上の筋骨格を持つ人体モデルを用いて,座位保持装置に着座した時の対象者の脊椎形状の変形解析,姿勢解析,車いすの駆動解析が行える座位保持装置の設計システムを構築し,より対象者に適合した座位保持装置を短期間に開発できるようにすることである.当該年度の目標は,なるべく回転角度が各脊椎に分散され,胸椎と腰椎などの初期角度や回転の容易さが考慮でき,中間計測点が得られる場合には精度向上が可能で,さらには結果が現場で確認できるように処理時間の短い脊椎の三次元変形形状を推定できるシステムの開発であった.それに対して,胸椎最上端と腰椎最下端の座標とその方向ベクトルが計測できることを前提とし,その間の脊椎形状を梁要素による有限要素法解析により推定する手法を考案し,MATLAB(MathWork社)を用いてプログラミングし開発した.本手法は,各椎間板の歪エネルギーの総和を最小化しつつ,腰椎部と胸椎部の椎間板の材料特性を変えることにより脊椎の推定形状が変更可能,PC上でも数秒のCPU時間で高速に処理が可能,中間点の変位量や,脊椎に荷重がかかった時など重力の影響も考慮することができる点が特徴であり,目標とした機能を実現することができた.また推定した脊椎の変形形状に対応した脊椎人体モデルを構築し,計算機上で表示し評価できるようにした.ただしその推定した脊椎形状の検証を行うには,至っていないため,今後被験者を用いての計測実験を継続する.また姿勢計測のため,複数のUSBカメラによる画像を計算機に取り込むシステムは導入したが,被験者に付けたマーカーなどのランドマークを自動抽出して三次元座標を計算し,その姿勢を求める機能の完成にまでは至らなかったため,その機能の開発を今後も継続していく.
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Research Products
(1 results)