2010 Fiscal Year Annual Research Report
幼児における基本的運動能力と日常身体活動との関係~量および質的側面からの検討~
Project/Area Number |
22500528
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
佐々木 玲子 慶應義塾大学, 体育研究所, 教授 (80178673)
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Keywords | 幼児 / 基本的運動 / 質的評価 / 身体活動量 |
Research Abstract |
今日の子どもの体力・運動能力の低下は、日常的に身体を動かす機会が減少し、絶対的な活動量と動きの経験そのものが減少していることが大きな要因と考えられている。本研究は、幼児の日常における身体活動量やその内容について調査し、それが基本的な運動を遂行する能力とどのようなかかわりがあるかを量的、質的にとらえ実態を明らかにすることを目的としている。 今年度は、測定実施の準備(活動量計の購入、測定項目の選定など)に続いて、実際に幼児を対象として身体活動量と運動能力の測定を行った。身体活動量については歩数を指標として、起床から就寝まで連続7日間の記録を行い、運動能力については、走、跳、投など基本的運動の中から7つの運動項目を選び、量的な測定値および動きの質的評価を行った。それにより以下のような結果が明らかになった。対象とした幼児(男女合計140名)の1日の歩数は、全般に、先行研究に比べ平日の値がやや少ない傾向にあり、平日と休日との差が比較的小さかった。一方、休日では個人差が大きくその値の分布は平日に比べ増大した。また、女児に比べて男児の方が平日、休日ともに歩数は多く、幼児の段階でも男女間の活動量に差があることがわかった。歩数と運動能力との関係については、男児では両者に正の相関、すなわち日常活動量が多い子どもは運動能力も高いという傾向がみられたが、女児ではそれが明確ではなく、ここでも性差がみられた。これらの内容は、第61回日本体育学会(2010年9月)にて発表した。また、調査対象園間でも若干異なる傾向がみられたことから、さらに、身体活動の強度やその内容などを含めた詳細な分析や、環境要因の分析などを加えるが必要性が認められた。
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Research Products
(1 results)