2010 Fiscal Year Annual Research Report
東西神秘主義思想の観点から見た日本の雅楽・神楽の身体
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22500539
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
木村 はるみ 山梨大学, 教育人間科学部, 准教授 (00195372)
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Keywords | 神楽 / 世界霊・民族霊 / キリスト者共同体 / 雅楽 / 言霊論 / 日本的霊性 / オイリュトミー / ルドルフ・シュタイナー |
Research Abstract |
5月21日から25日までドイツで開催されたキリスト者共同体国際大会で神楽舞について実演発表を行った。その報告は、雑誌「Pleroma」に記し実演はDVDとして記録した。音楽監督(吉田氏)は、儀式音楽の研究者でもあり、9月にその師(ロター・ロイプケ氏)とともに来日講演を行い、宗教体験という普遍的な行為にふさわしい音楽・歌とその演奏が使われる言語やその民族の精神とどうかかわるのか議論することができた。またドイツ語を母国語とし、西洋音楽とキリスト教の宗教音楽の作曲家である彼らが、日本の実際の儀式で歌われるキリストへの聖歌を日本の民族霊を意識して作詞・作曲した。御神楽の形式を彷彿とさせる美しい歌であり、誰にでも歌いやすく聖なる体験に通じる儀式音楽であった。普遍性と母国語の力の関係について議論することができた。 12月12日には、比較舞踊学会第21回大会にて「舞踊における世界霊と民族霊一異文化における神楽の体験を通して一」を国際会議での映像資料とともに口頭発表した。神話や伝説などが口頭伝承で伝わり文字による伝承のある一方で身体による、儀式の演劇化、舞踊化などがあることについて人類史的な観点からみる必要のあることを述べた。 12月18日・19日に代々木オリンピック記念青少年総合センターで開催された第30回日本教育大学協会保健体育・保健研究部門全国創作舞踊研究発表大会では、この研究テーマに沿って招待作品を招き、舞スタジオによる「早池峰神楽」の上演とペルセパッサ・オイリュトミー・ダンサーに十種祝詞(とくさののりと)による創作・実演をしていただいた。DVDに作品映像を記録した。 2011年3月下旬には、こうした疑問を基に、国立民族学博物館に資料収集に出かけ研究部において比較宗教学、文明硯究専門の中牧弘允教授と情報交換し、梅棹忠夫の資料、宗教、舞踊関係の資料を収集した。
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Research Products
(6 results)