2010 Fiscal Year Annual Research Report
実践力のある体育教師養成のためのデータベース構築に関する研究
Project/Area Number |
22500540
|
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
新保 淳 静岡大学, 教育学部, 教授 (30187570)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 聡 広島大学, 教育学研究科, 教授 (30173157)
高根 信吾 富士常葉大学, 総合経営学部, 講師 (70440609)
|
Keywords | 体育教師養成 / 実践力 / 授業映像 / データベース化 / 視点提示型研究 / アクション・リサーチ |
Research Abstract |
本年度は、まず体育教師の授業実践を映像として残し、そのビデオ映像を本人に見せることによって「反省的」に物語るためのビデオ映像をデータベース化すること、およびそのビデオを共有サーバーに蓄積することによって、任意の時間、場所にて、授業実践者がWEB上でアクセスするための基盤整備を行った。またこの際、映像に映し出される児童・生徒の肖像権保護を含めた撮影方法(具体的には、カメラアングルあるいはズームの方法等)についても検討を行った。 次に、この研究の基盤となる授業研究についての理論的考察も行った。まず授業研究再考の議論を取り上げ、次に反省的実践家としての教師とはいかなるものかを明らかにした。教師養成が目指すのは、反省的実践家としての教師である。実践家であるためには、簡便なマニュアルを求めてしまう欲望を放棄し、よりよい実践を求めて地道に実践を繰り返すことを引き受ける意志が、まずは必要であること。その自覚と意欲のもとで、反省・省察のための意味生成能力の育成がなされねばならないことが明らかにされた。 またこの研究の理論的背景の骨格をなすアクション・リサーチをめぐる議論を整理し考察を行った。「実践としての授業」論から導かれるように、授業研究の新しい方向性は、まずは、「事例研究を基本としたアプローチ」だと言うことができるだろう。これまでのような実験群と対照群を設定して指導法の有効性を有意差などの数値によって検証するといった授業研究ではなく、個々の授業を事例として観察、記録、分析、解釈、報告、討議するといった方向性である。そのための一つの方法として、アクション・リサーチが位置づけられることが明らかになった。
|
Research Products
(2 results)