2011 Fiscal Year Annual Research Report
体育カリキュラムに影響を及ぼすローカルレベルのポリティクスに関する研究
Project/Area Number |
22500541
|
Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
井谷 惠子 京都教育大学, 教育学部, 教授 (80291433)
|
Keywords | 体育カリキュラム / ポリティクス / ローカルレベル / 権力 / 国家基準 / フーコー |
Research Abstract |
H23年8月-12月の間,トロント大学オンタリオ教育学研究科に研究員として滞在し,体育カリキュラムとポリティクスに関する資料を収集し,専門家からの助言を受けた.資料収集としては,Ja nWright, David Kirk, John Evansらの先進的な研究が中心である.また,権力関係に関する研究の理論的基盤として有用なフーコーの理論や方法論について再検討し,体育・スポーツ科学におけるそれらの活用の可能性を検討した.11月に参加した北米スポーツ社会学会では,フーコーの理論や方法論を採用した研究について資料収集を行った.これらの成果については,海外研究の動向として学術誌に掲載された. K市内のフィールド校であるF中学校で,資料収集と聞き取り調査を進めた.H23年度の年間計画の他,週1回のペースで授業の参与観察,教師へのインタビュー調査を実施した.主な着目点は,(1)生涯スポーツとの関連,体つくりに関する目標設定(教育目標),(2)スポーツを主とした運動領域とダンスや体つくり運動などその他の運動領域の配分(教育内容)(3)教育過程・学習者の組織,意思決定の所在など教授スタイルに関する議論(教育方法)(4)武道とダンスの男女共修,選択制のあり方,男女別習・共習(新しい課題)とした. また,上記の観点以外に,体育カリキュラムにおける「競争と協同」のポリティクスについての分析を喫緊の課題ととらえ,先行研究の調査とともに,教育における「協同」についての新しい知見について検討を進めた.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
在外研究の機会を得て、研究に専念することができ、海外の先進的な研究成果から知見を得ることができた。また、フィールド校の協力体制も良好である。
|
Strategy for Future Research Activity |
H24年度は本研究の最終年であるので、研究成果をまとめ国内外での学会発表や学術誌への投稿を中心に行う。
|