2011 Fiscal Year Annual Research Report
教員養成課程における間身体コミュニケーション力育成のための評価システムの構築
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22500543
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
廣兼 志保 島根大学, 教育学部, 准教授 (00234021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 奈希左 上越教育大学, 大学院・学校教育研究科, 准教授 (90283043)
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Keywords | 教員養成課程 / 体育 / 間身体性 / コミュニケーション / 評価 |
Research Abstract |
近年、運動が育むコミュニケーション能力に関する研究は様々な視点から取り上げられており、大学生を対象とした体育における授業研究も試みられている。しかし、対象を教員養成課程の学生に絞り込み、運動を通して間身体コミュニケーション力を育むための単元構成や評価方法の開発に取り組んでいる研究はまだ見られず、今後も取り組んでいく余地がある。 そのような状況の中で、本研究は、教員養成課程入門期の学生を対象に、教師として必要な「間身体コミュニケーション力」(=児童・生徒が姿勢・表情・行動などを通して発信する心の声を受け取り応答する力)育成のための評価システムを構築することを目的としている。評価システムは「学習者の自己評価」「学習者同士の相互評価」「教師による評価」の3種から構成する。 今年度は、前年度の結果をもとに、学習者による自己評価及び学習者間での相互評価のための評価ツールを設計し試行した。その結果、学習者は活動の意味が理解でき、自分なりの目標や達成基準を設定しいかに達成するかを考えながら活動するなど主体的に授業に取り組むことができるようになった。 具体的な評価ツールとしては「今日の学習記録」シートを作成し、毎時の活動後にふりかえりの時間を設定して、活動内容、自己評価、各達成目標に関してできるようになったことや今後の課題などを記録するようにした。また、単元末には、学習者自身が全ての記録を綴じたものを読み返し、自分の記録の変化を分析しながら総括的な自己評価をおこなうという課題を設定した。評価項目と達成目標とを一体化することにより、学習者は自分自身の到達度を確かめながら自信をもって成果をふりかえることができるようになった。これらの研究成果は、実践報告として論文にまとめて投稿された。 また、学習者間の相互評価を導入した研究授業を試行し、その成果を論文にまとめて発表するとともに日本教育大学協会保健体育・保健研究部門全国創作舞踊研究発表会で、ワークショップ形式で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
23年度は、22年度の実践結果を論文にまとめて発表した。その他にも1本の論文を投稿中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、間身体コミュニケーション力の育成をめざす体育授業における評価システムの構築に向けて、学習者の主体的な取り組みを促す相互評価活動の検証を試みるとともに、教師による評価の視点の設定についても考察し、評価システムの構築を完成させる。 なお、研究授業の実施にあたっては、実施意図を対象者に説明し協力を得たうえで実施する。また、実施結果の検証にあたって得られた学習者の内省文等の扱いについては、人権や個人情報の保護に配慮する。
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