Research Abstract |
本年度はまず,技能差に応じるハンディキャップ制をコート(ゴール)の大きさを変えて対応できる条件を見いだそうとした。すなわち,複数のコートの大きさで,通常のゲームにおける得点差を技能差と見なし,得点差等がどのように変化するかの観点から,技能差に応ずるハンディキャップ制のあり方を検討しようとした。その結果,点差の面からだけであるが,通常ゲームでの点差の1点から3点のゲームではダブルスコート対バックカットコートでは大きすぎること,及び,通常ゲームでの点差の4点から7点のゲームでは「ダブルスコート対ノーマルコート」か「ノーマルコート対サイドカットコート」が適切ではないかと考えられた。 また一方で,ハシディキャップ制導入のための基礎的研究として,個人の技能レベルを評価する方法を明らかにしようとした。これまでのハンディキャップ制が点差をもとに設定しようと志向していたのに対して,個人技能レベル差をより正確に捉えた上での設定を志向しようとしたためである。すなわち,大学生31名を対象に,5種の課題について個人技能を測定した。また,10年以上のバドミントン経験者3名に,各被験者の基礎打ち時の様子をもとに個々の技能レベルを5段階で評価させた。この観察による技能レベルを目的変数とし,各課題の成績を説明変数とする重回帰分析によって,予測技能レベルを表す重回帰式(決定係数0.831,p<0.01)が得られた。次いで,ランダムに行わせた117のシングルスゲームの勝敗結果と予測技能レベル差との関係を検討した結果,予測技能レベル差が大きいほど勝敗との合致率は高まり,点差も大きくなることが認められた。従って,クリアー(動),サーブ,フットワークの3つの個人技能を測定することによって,バドミントンの総合的技能を評価できると考えられた。さらに,決定係数は若干下がる(決定係数0.817,p<0.01)が,簡便性を優先すればフットワークを除くことも可能であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
中学生を対象としたハンディキャップ制の検討には至らなかったため,(3)と評価した。しかし,中学生を対象にした授業実践は23年度中に実施済みであるため,データの整理を24年度の前半に行い,整理していく。
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