2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22500548
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Research Institution | National Institute of Fitness and Sports in Kanoya |
Principal Investigator |
山田 理恵 鹿屋体育大学, スポーツ人文・応用社会科学系, 教授 (60315447)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榊原 浩晃 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (50255220)
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Keywords | 身体教育 / 身体運動文化 / 伝統スポーツ / 打球戯 |
Research Abstract |
本研究は、打毬や毬打(毬杖)、ハマ投げなどの日本の伝統的な打球戯の独自性と文化的意義を明らかにするとともに、近現代の学校教育プログラム等における継承事例について検討することを通して、現代の身体教育における伝統的運動文化の意味と在り方について考察を行うことを目的とするものである。 平成23年度は、研究期間の2年目として、藩政期および明治期を中心に日本の伝統打球戯の系譜に関する資料を調査・収集した。また、鹿児島市内の小学校の授業において展開された薩摩の伝統遊戯・ハマ投げに関する現地調査を行った。東アジアの打球戯についても、史料調査を行った。 特に、前近代と近代の連続性という観点から、日本の伝統打球戯が、近代に入っても、学校における児童の遊戯種目としてどのような目的と意味をもって継承されたのか、また、その背景として、当時の教育者が、体操科とその教材としての遊戯についてどのように考えていたのかを検討した。当時の教育者による体操科と遊戯論について、東京高等師範学校講師時代に山松鶴吉が著した『小學校各科教授の進歩』(同文館蔵版:東京、1911年)を主として用い明らかにしたことは、身体運動文化の展開を考察するうえで新知見として注目される。 また、日本の和漢書にみられる打毬の形態について、主として平安時代と江戸時代の様式に関する記述を抽出し、原典との照合や記述内容の確認を行った。 本研究において得られた資料については、整理・吟味し考察を行い、情報として蓄積した。また、学術論文、学術書、学会発表等によって、研究成果を公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
日本の伝統打球戯の系譜と文化的意義について、特に前近代-近代の連続性という観点から、近代学校における教材としての伝統打球戯の実態について考察し、さらにその背景となる、当時の教育者による児童の教材としての遊戯に関する著述について考察を行ったことは、本研究の新たな展開として位置づけられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も継続して日本の伝統打球戯に関する資料の調査・収集を進めていくこととする。その過程で、これまで取り上げられていないような打球戯の情報があれば、その資料収集に重点を置き、また現存する伝統打球戯については、可能な限り現地調査を行っていきたいと考えている。
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Research Products
(8 results)