2012 Fiscal Year Annual Research Report
体育授業における子どもの認識発達に関する研究-感想文分析の枠組みの設定
Project/Area Number |
22500557
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
石田 智巳 立命館大学, 産業社会学部, 准教授 (90314715)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 俊雄 梅光学院大学, 子ども未来学科, 准教授 (50441621)
口野 隆史 京都橘大学, 人間発達学部, 教授 (60192027)
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Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
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Keywords | 体育授業 / 運動的認識 / 感想文 / 発達 |
Research Abstract |
本研究は,2008年に改訂された学習指導要領にある「言語活動の充実」とかかわって,体育授業後にしばしば書かれる子どもの感想文を分析する枠組みを設定することを目的として行われた。特に,運動と言葉の関係については,実証的な研究がほとんど行われておらず,啓蒙的な主張がなされる程度であった。しかし,今日「わかる,できる」体育が主張される中で,運動の発達において言葉はどのような役割を果たすのか,発達階梯においてどのような言葉が使われるのか,あるいは教師のかけるどのような言葉が子どもに理解されるのか,されないのかなどを解明することは,カリキュラムを考える上で非常に重要な位置を占めると思われる。 研究の方法としては,まず我が国で言語活動が重視された歴史的経緯をまとめた。その際に,主として1950年代の生活綴方に学んだ体育授業や,70年代にはじまる体育の「学力論議」で確認された「わかる」こと重視の流れを参照した。さらには,スポーツ運動と言語の関係については,マイネルやプーニそしてヴィゴツキーなどの主張を参照した。また,実際の感想文の分析にあたっては,阪田尚彦(1981)の研究方法を批判的に検討した。実際の感想文は,同一教師による同一スタイルで行われた4年生と6年生一クラスずつの約10時間分の水泳の授業の感想文を分析・比較した。 得られた知見は以下の通りである。①阪田は,分析のカテゴリーとして「客体に即した認識」と「主体に引き寄せた認識」の二つを用意したが,それを,「結果」「課題」「構造・客体」「構造・主体」の4つに分類した。②4年生は「課題」の記述が多く,6年生は「構造・主体」の記述が多く,ここに二つの学年の差が見られた。③しかし,6年生でも授業の課題によっては言語化しにくいことや,全身運動の動作の順序やタイミングの記述が難しいことが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)