2012 Fiscal Year Annual Research Report
野球の投球における投球腕の拮抗筋活動がボール速度に及ぼす影響
Project/Area Number |
22500568
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小嶋 武次 東京大学, 総合文化研究科, 講師 (20111437)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 野球 / ボール速度 / 拮抗筋活動 / 体幹近位 / 動作分析 / コンピュータシミュレーション |
Research Abstract |
野球の投球のボールリリース直前に体幹近位の運動にブレーキをかけると、ボール速度が増すという考え方があるが、一平面内の腕のみを用いた投球では、意味がある程度の速度の増大は生じないことが筆者によってコンピュータシミュレーションを用いて明らかにされた。しかし、通常の投球は3次元空間内で行われる。本研究の目的は、通常の投球においての体幹近位でのブレーキ動作のボール速度への影響を調べる事である。 大学野球部に所属する選手11名を被験者とし、実験室内で前方の的に向かって20球の全力投球を行ってもらい、その動作を毎秒500コマでキャプチャーした。各選手について投球速度が最大のものを選び、そのキャプチャーデータに逆動力学を用い、投球腕の肩、肘、手の各関節の角度と角速度及び関節トルクと体幹下部から体幹上部に作用する関節トルクと力を求めた。 選手の中からボール速度が最大、平均値に近い、最低に該当する3名を選び、逆動力学を用いて得られた結果に基づき、投球のコンピュータシミュレーションを行った。その際に用いたモデルは、体幹上部、上腕、前腕、手とボールからなり、体幹上部と肩、肘、手の各関節及びボールの自由度はそれぞれ6、3、2、2、2とした。このモデルに逆動力学分析で得られた結果を入力し、ボールリリース直前の体幹上部、投球腕とボールの運動のシミュレーションを行った。実際の投球結果とシミュレーション結果のズレを手がかりに、上述の身体各部の質量、質量中心位置等の調整を行った。 このようにして得たモデルを用い、ボールリリース直前に肩及び肘の各関節にブレーキに相当するトルクを系統的に変えて入力し、ボール速度の変化を調べた。その結果、意味のある程度のボール速度の増大は見られなかった。但し、本研究でのボール速度の最大値は120 km/時であり、これ以上の速度の場合については、さらなる研究が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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