2010 Fiscal Year Annual Research Report
運動・スポーツが注意機能及び二重課題時の立位バランス・歩行能力に及ぼす影響
Project/Area Number |
22500575
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
岡田 修一 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (70152303)
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Keywords | 注意機能 / 認知機能 / 立位バランス能力 / 歩行能力 / 歩行動作 |
Research Abstract |
3ヵ年にわたって実施される本研究は、高齢者の注意機能と二重課題時の立位バランス能力及び歩行能力との関係について明らかにするとともに、定期的な運動・スポーツが高齢者の注意機能や二重課題時の立位バランス能力と歩行能力に及ぼす影響について検証することを目的とする。1年目にあたる本年度は、高齢者を対象に、注意・認知機能の評価を行うとともに、二重課題時の立位バランス能力と歩行能力を測定・分析し、注意・認知機能と立位バランス能力及び歩行能力の相互関係について明らかにした。すなわち、対象者は疾患や神経-筋系の既往症がない、兵庫県及び京都府在住の65歳以上の活動的な高齢者138名であった。注意・認知機能として、Trail Making Test-A・B (TMT-A及びTMT-B:注意機能の評価項目)、Mini-Mental State Examination (MMSE:認知機能の評価項目)の調査を行った。また、計算や名称の想起時(二重課題時)のFunctional Reach Test(FRT:立位バランス能力の評価項目)、開眼・閉眼片足立ち(立位バランス能力の評価項目)、Timed Up and Go Test(TUG:歩行・バランス能力の評価項目)を測定した。さらに、歩く(第一課題)動作を行いながら、計算や名称の想起(第二課題)を行い、その歩行の様子を三台のカメラで計測し、歩行スピード・つま先の上がり具合・体の傾きなどについて3次元動作分析システムを用いて分析を行った。これらの測定及び分析データをもとに、注意・認知機能と二重課題時の立位バランス能力、歩行能力との相互関係について解析を行った。これまでに得られた結果として、次のことが明らかになった。1)TMT-Aと二重課題時の立位バランス能力との間には相関関係がみられなかったが、TMT-B及びMMSEと二重課題時の立位バランス能力との間には相関関係が認められた。2)MMSEと二重課題時のTUGとの間に相関関係が認められた。3)現在、歩行動作については分析中であり、TMT-A、TMT-B及びTUGと歩行動作との相互関係については言及できない。
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