2011 Fiscal Year Annual Research Report
元気はつらつ投げ続けるための年少野球選手における投球動作の基礎的研究
Project/Area Number |
22500587
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Research Institution | Sendai University |
Principal Investigator |
宮西 智久 仙台大学, 体育学部, 教授 (20285646)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
図子 浩二 筑波大学, 人間総合科学研究科, 准教授 (70284924)
岡田 英孝 電気通信大学, 電気通信学部, 准教授 (20303018)
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Keywords | 野球 / 内野手 / 送球動作 / 3次元動作分析 / バイオメカニクス / 運動発達 |
Research Abstract |
野球において年少者の投球動作の発達学的な特徴を浮き彫りにするためには、各年代毎の投球動作を定量化し横断的に比較検討する必要があろう。こうした年代間の投球動作の特徴が発達学的に明らかにされれば、投球動作の"指針作り"ための基礎資料(科学的エビデンス)を提供することが可能となり、その結果として教育現場においてより効果的・効率的かつ合理的で安全な投球指導を実現することが期待される。 我々はこれまで野球の内野手の送球動作(クイックスロー)に着目し、野球を専門的に行っている中学・高校・大学生男子選手のその特徴についてキネマティクス的観点から比較検討し、各年代間の動作的特徴を明らかにしてきた。そこで、本研究の目的はこれまでに得られたキネマティカルな変量を含めてキネティクス的観点から各年代の特徴を比較検討しようとするものである。具体的には高速度3次元画像解析法により身体の角運動量、投球腕の肩・肘・手関節の関節トルク等を逆動力学解析した。発育発達学的な差に由来する被験者固有の体格的影響を除去するため、各変量を身長と体重を用いて標準化した。また各時系列データを捕球後の軸足接地時からボールリリース時までの時間で規格化し各群毎に平均化して比較を行った。なお、いずれの変量も従来の研究報告で課題とされていた被験者数の増加及び統計的検定法の再検討を行い算出したものである。結果は各年代においていずれの変量も同様の時系列パターンが観察されたが、特に中学生と高校・大学生選手間の値に顕著な差が認められた。本研究の結果と従来の結果との間に大差は認められず、従来の知見の妥当性を支持するものであった。本年度においてはさらにボール速度への身体の並進と回転運動の貢献度を求めた結果、ボール速度への貢献度のほとんどは回転運動によってもたらされていること、また年代間のキネマティクス変量の違いよりもキネティクス変量の違いが大きいことが明らかとされた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
主たる理由は平成23年3月11日に生じた「東日本大震災」によるさまざまな影響であるが、その他学内・学外業務への対応などにより、年少者を対象とした野球の送球動作の3次元データ収集ならびに解析作業のための時間が取れず遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の理由により本研究の達成度が遅れているが、今後、早急に動作データを収集し解析を行うとともに、平成24年度において実施計画に上げていた年少者(中学生予定)を対象とした投球トレーニング測定を行う予定である。しかし、今後の進捗状況や測定協力団体のチーム状況他によっては投球トレーニング測定を研究期間中に終了することを断念せざるを得ず、研究計画の変更も否定できない。
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Research Products
(3 results)