2011 Fiscal Year Annual Research Report
捕捉動作における認知・予測・運動制御スキルと動作失敗メカニズムの検討
Project/Area Number |
22500588
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Research Institution | Kokushikan University |
Principal Investigator |
竹市 勝 国士舘大学, 政経学部, 教授 (30265962)
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Keywords | 捕捉動作 / 認知特性 / 予測特性 / 運動制御 |
Research Abstract |
本研究の目的は、「認知・予測・運動制御の各局面におけるパフォーマンスと捕捉運動パフォーマンスの関連」と「各局面への訓練が運動パフォーマンスにどのように影響するか」を検討することである。平成23年度は、平成22年度に引き続き、各局面のパフォーマンスにおいて、運動物体に対する認知能力、予測能力に着目し検討した。 これまでの研究において、遮蔽後の運動物体の認知予測特性について、運動物体の移動距離を過小評価する現象を報告した。その現象の原因についての検討するため、実験画像(視覚刺激)をコンピュータグラフィックスで構築し、物体の遮蔽前の認知能力と速度表象(予測能力)について実験を行った。その結果、遮蔽後の物体運動に関する速度表象は、遮蔽前の物体運動とほぼ同じ程度に維持され、予測課題における移動距離の過小評価は、物体位置の予測地点に視線が停滞する事や位置を予測するために様々な条件が付加される事による注意の分割による処理能力の低下が影響する可能性が示唆された。 平成23年度は、この点について検証を行った。実験では、遮蔽後における特定時間経過後の物体位置予測課題、特定地点への到達時間予測課題、ストライプフローとの速度比較課題などの基本条件を設定し、これらの条件を組み合わせ、位置+時間予測課題、位置予測+速度比較課題、位置予測+速度比較課題などの複合条件によって注意分割の影響を検証した。その結果、複合条件が単一条件よりも有意に錯覚量(エラー)が大きくなるという結果が得られた。すなわち、予測課題における注意の分散が認知能力と予測能力に大きく影響することが明らかになった。 これは、認知、予測能力の訓練において重要な要素となる結果であった。将来的にスポーツにおけるパフォーマンス訓練においても応用が考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
運動制御の評価実験に遅れが生じている。計画している運動制御の評価実験では、体育館のような広く、高さを持ったスペースが必要である。平成23年度は体育館改築工事のため、実験のための体育施設の利用が極端に制限される状況であるため、実験によるデータ収集に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
運動制御の評価実験については、施設の関係でデータ収集に遅れが生じている。平成24年度では、現在利用可能な学内施設において実験計画を一部修正して実施、または、年末に体育館利用が可能になった時に集中して実験を行うよう計画する。また、運動制御局面における評価実験に遅れが生じている関係で、認知・予測能力訓練についての実験にも先送りになる。訓練にはある一定期間が必要となるため、「認知・予測能力訓練と運動パフォーマンスへの影響」についての検討にまで、研究期間内に到達できない可能性がある。
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Research Products
(2 results)