2011 Fiscal Year Annual Research Report
体育教育における民族スポーツの教材化と学習プログラムの開発
Project/Area Number |
22500590
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
石井 隆憲 東洋大学, ライフデザイン学部, 教授 (70184463)
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Keywords | 教材化 / チンロン / ミャンマー / 民族スポーツ / 学習プログラム |
Research Abstract |
本年度は実際に民族スポーツの教材を作成し、暫定的な学習プログラムを構築することが目的であった。そこで、まず4月末から1週間ほどミャンマーにおいてチンロンの指導についての確認のための調査を実施した。その後、プログラムの構築をおこない、7月上旬にはミャンマーに行き、このプログラムの有用性について、チンロン選手たちの意見を求めると同時に、学校教材とする場合での留意事項についても意見交換をおこなった。 10月末日から11月中旬までミャンマーからチンロン選手3名を招聘し、大学生や高校生、ならびに日本のセパタクロー代表メンバーたちを対象にして、チンロンの指導場面を設定し、そこでチンロンの講習会を実施した。年度当初の計画では震災のためにチンロンの指導場面についての調査とDVDの撮影についてはミャンマーでおこなうことにしていたが、原発収束に向けた工程表がだされ、夏以降にはある程度落ち着いたので、申請当初の計画に戻して日本において研究を進めることに変更した。日本国内での研究では、言葉が通じず、またチンロンについての知識のない日本人たちに対して、どのような指導がなされているのかについて、それを記録するとともに、実際に指導を受けた方々に対してもインタビューをおこなった。また、教材作成のために撮影を実施した。ここでのデータなどを整理した結果から浮かび上がった問題点と年度末の研究成果執筆の部分で不明な点について、2月にミャンマーに行き、不明な点について調査を実施した。 上述した研究データをもとにして、それに検討を加え、今年度末にその一部の研究成果として、チンロンの教材化と暫定的な学習プログラムを提示した『チンロンの神髄-ミャンマー伝統の球技-』(DVD付)を出版物として刊行した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究が計画以上に進展していると自己評価したのは、暫定的ではあれ、本研究と関連する出版物を刊行できたことによる。学習プログラムについては、今後も検討しなければならないが、教材として使うことのできるチンロンの写真と映像が完成したことは、予定よりも早かったといえる。この理由として、チンロンの写真と映像は、これまでの調査で蓄積してきたものも利用したので、不足した映像を補充する形で研究を進めてきたことが、研究を促進したものと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度が本研究の最終年となるので、現在出来上がっている暫定的な学習プログラムを完成させることが残された課題となる。また、教材化したチンロンについての記述を見直し、学習プログラムがより効果的になるような適切な表現を検討することである。こうした表現について、現地ではどのような言い回しをしているのかを検討することも、最終年度の課題となる。
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