2011 Fiscal Year Annual Research Report
バスケットボールにおける即興的な攻撃戦術に関する研究:コーチの語りを手がかりに
Project/Area Number |
22500598
|
Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
坂井 和明 武庫川女子大学, 健康・スポーツ科学部, 准教授 (90247099)
|
Keywords | コーチング / 戦術 / 質的研究 / バスケットボール |
Research Abstract |
平成23年度研究実施内容 1)バスケットボール全日本女子代表中川文一監督へ実施したアンケート調査および2回のインタビュー調査の質的分析 2)中川氏が指揮し,アトランタオリンピック7位入賞を果たした全日本女子チームでプレーしていた萩原美樹子選手へのアンケート調査およびインタビュー調査 1)の成果:バスケットボールにおける即興的な攻撃戦術であるフリーランス・オフェンスの有効性を,中川氏は「速攻から攻撃を一旦ストップさせることなく連続してシュートチャンスを創出させていくことができる」と捉えており,その立案では「防御に対する表裏の二者択一を準備したグループ戦術を核に使って選択肢を制限すること」が効果的であると考えていることが明らかになった. 2)の成果:萩原氏にアトランタオリンピック出場チームでプレーしていた当時を振り返ってもらい,即興的な攻撃戦術を効果的に遂行するためのコツを,以下の5点に焦点を当てて調査した. (1) フリーランス・オフェンスをどう開始していたか? (2) フリーランス・オフェンスにおいて攻撃チャンスをどう連続させていたか? (3) フリーランス・オフェスにおいて「困った」状態に陥った時にどう対処していたか? (4) フリーランス・オフェンスをプレーするコツをどのように獲得していったか? (5) フリーランス・オフェンスをプレーできるプレーヤーをどのように育成していったらよいか? 現在,アンケート調査およびインタビュー調査の結果を質的研究の手法を用いて分析中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定した中川氏へのインタビュー調査は計画通りに実施できたが,萩原氏の予定によりインタビュー調査を年度末にしか実施できなかった.そのため,2名のインタビュー調査を関連づけて分析する作業が平成24年度にずれ込んでしまっている.
|
Strategy for Future Research Activity |
1)中川氏が指揮を執っていたアトランタオリンピック出場チームで活躍していた選手をもう1名調査対象として抽出し(永田睦子氏を予定),早急にアンケート調査およびインタビュー調査を実施する. 2)3名の調査結果を原著論文としてコーチング学研究へ投稿する. 3)研究成果報告書を作成する.
|