2010 Fiscal Year Annual Research Report
野球選手の投球速度を向上させる体力要素およびトレーニング法の検討
Project/Area Number |
22500602
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Research Institution | Ishikawa National College of Technology |
Principal Investigator |
北田 耕司 石川工業高等専門学校, 一般教育科, 准教授 (70280378)
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Keywords | 野球 / 投球速度 / 体力特性 |
Research Abstract |
平成22年度は球速と体力テスト項目の関係を検証し,球速に関連した体力特性を明らかにすることを目的とした。高等専門学校に在籍する野球部員34名(16.76±1.18歳,投球速度111.29±7.98km/h)を対象とし,実験を行なった。ボールは硬式野球ボールを使用した。投球速度はドップラー方式のスピードガン(Stalker Pro,ACI社製,USA)を捕手の真後ろに設置して計測した。投球方法は,投手と同様マウンドから投球する通常投球(ST),身体正面を捕手に正対させた状態からのノーステップス投球(NST),椅子に座り腰を固定した状態からの椅座位投球(CT)とした。体力テストは,メディスンボール投げ,跳躍種目,筋力・筋パワー種目,硬式野球ボールによる遠投を行なった。STと最も相関が高かったのは,遠投(r=0.863)であり,続いてNST(r=0.816),CT(r=0.647)となった。いずれも投球動作項目であった。投球動作項目以外で相関が高かったのはスクワット(r=0.454),握力(r=0.422)といった筋力系種目であった。メディスンボールのオーバーヘッドスロー(r=0.414),体重(r=0.339),立幅跳び(r=0.326)で相関に有意性がみられたが,高い相関ではなかった。下半身のパワーまたは全身パワーを反映する跳躍系(立三段,片足立三段)およびメディシンボール投げなどほとんどの項目で相関性はみられなかった。重回帰分析により,投球速度の最適な説明変数を求めるとNSTと遠投が選択された。投球系の測定項目を除いて重回帰分析を行なったが,補正R2,t値,P値のいずれもが妥当ではないことから,投球速度を体力要素で表わすことはできなかった。以上のことから,130km/h程度までの球速は,体力要素よりも投球の動作効率によるところが大きいと考えられた。
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