2011 Fiscal Year Annual Research Report
短時間・低強度運動時の脳活動とメンタルヘルスの関連
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22500605
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤本 敏彦 東北大学, 高等教育開発推進センター, 准教授 (00229048)
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Keywords | 運動 / PET / メンタルヘルス / 脳 |
Research Abstract |
【目的】本研究にヒトを対象に、ポジトロン断層法(PET)と糖の疑似体である^<18>F-フルオログルコース(^<18>F-FDG)を用いて短時間の低・中強度運動後の脳活動とメンタルヘルス(質問紙スコア)が相関する脳領域を調べ気分や感情の変容メカニズムの一端を明らかにすることを目的とした。 【方法】被験者は健康な男子大学生4名(年齢20.8±1.0歳、最大酸素摂取量43.3±4.0ml/kg/min)であった。被験者は運動実験と安静実験の2回の実験に参加した。運動は最大酸素摂取量(VO2max)の55%強度での35分間の自転車運動であった。運動終了15分後に^<18>F-FDGを肘動脈より投与し、その後約30分間の安静を取った。安静終了後、脳のPET撮影を開始する。安静実験では30分以上の安静の後、^<18>F-FDGを投与し、その後さらに約30分間の安静を取った。被験者の情動の変化は感情チェックリスト(MCL-S.2)を用いて観察した。 【結果】運動後に右中側頭回、右帯状回後部BA30野、右帯状回後部BA31野、右帯状回BA24野、右中心前回BA9野、左中前頭回BA9野の^<18>F-FDGの取り込みが減少した(uncorrected P<0.001,BAはプロードマン領域)。しかし現状で感情チェックリストとの相関は認められていない(被験者数の不足が原因である可能性が高い)。 【結論】活動の抑制が認められた上記の領域の個々の役割は不明な点が多いが、いずれの領域も情動をコントロールする大脳辺縁系や頭皮質との関わりが指摘されている。現状では感情との直接的な関わりを明らかにできていないが継続的な研究により、運動後の活動低下の意味を明らかにしたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
東日本大震災による実験施設の仮復旧が23年度10月であった。このため実験回数が減っており、また薬剤の購入費などに経費が増えた。本格復旧は24年度夏期以降になる見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
上記のように実験数が物理的に充分量確保できないため、24年度は23年度と同様に運動後の脳活動の観察に焦点を絞り、研究を遂行することとする。
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Research Products
(6 results)