2011 Fiscal Year Annual Research Report
高血圧と糖尿病の運動療法:交感神経抑制を介したストレスへの交叉適応の関与について
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22500609
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
三好 美智夫 鳥取大学, 医学部, 助教 (20093627)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 達生 鳥取大学, 医学部, 教授 (60182929)
木場 智史 鳥取大学, 医学部, 講師 (40565743)
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Keywords | 慢性運動 / ストレス / 交感神経 / 高血圧 / トレーニング / アドレナリン / ノルアドレナリン / 運動療法 |
Research Abstract |
慢性運動ラットに運動やストレスを負荷すると、運動だけでなくストレスによる視床下部・下垂体・副腎系の活性化も抑制される(交叉適応)。一方、運動時やストレス時には交感神経活動が上昇する。本研究は、慢性運動ラットの交感神経抑制を介したストレスへの交叉適応が高血圧や糖尿病の運動療法の治癒効果に貢献するかどうかを検討するのを目的とする。平成23年度は、自然発症高血圧ラット(SHR)とWistar-Kyotoラジト(WKY)に対して1日1時間のトレッドミル走行運動(20m/min)を4週間行った。トレーニング終了後のラットに15分間の拘束ストレスを負荷した。ストレス負荷開始90分前と終了直後に採血して血漿アドレナリン濃度とノルアドレナリン濃度を測定した。その結果、トレーニングをしないSHR群と比較してトレーニングSRH群では、ストレス後の血漿ノルアドレナリン濃度増加は有意に抑制された。また、トレーニングをしないWKY群と比較してトレーニングWKY群では、ストレス後の血漿アドレナリン濃度とノルアドレナリン濃度増加は有意に抑制された。すなわち、SRHでもWKYでも、トレーニングによりストレスに対する交感神経反応が減弱するものと推察される。この結果は、慢性運動により交感神経の交叉適応が起こることを示唆している。今後は、糖尿病ラットで同様の検討を行い、いかに運動療法が交感神経の活動と関わっているかを明らかにしたい。また、交感神経の交叉適応の起こる脳内機序についても検討して行きたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
自然発症高血圧ラットに4週間トレッドミル走行運動を行い、トレーニング終了後の拘束ストレス負荷した際の血漿アドレナリン濃度とノルアドレナリン濃度測定の結果は、トレーニングによりストレスに対する交感神経反応が減弱することを示している。このことは、高血圧の運動療法に交感神経活動抑制を介した交叉適応が関与している可能性を一歩追求したものと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、高血圧ラットにおいて、トレーニングがストレスによる血圧の上昇反応を抑制し、運動療法がストレスの高血圧誘発作用に抑制効果があり、慢性運動による交感神経の交叉適応が起こっていることが示唆された。今後、脳の神経活動に及ぼす慢性運動の効果を調べることにより、慢性運動による交叉適応を介した交感神経活動抑制が運動療法の治癒効果に貢献しているか否かを検討する必要があると考える。
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Research Products
(3 results)