2011 Fiscal Year Annual Research Report
スポーツ選手における椎間板変性と遺伝的要因との関連性
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22500615
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Research Institution | Nippon Sport Science University |
Principal Investigator |
平沼 憲治 日本体育大学, 体育学部, 教授 (30434153)
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Keywords | 椎間板変性 / 遺伝子 / 身体特性 / スポーツ |
Research Abstract |
本研究は腰痛の発生原因となりうる椎間板変性の発生に関して、その誘因となる遺伝的要因や身体特性を横断的に検討し、さらには腰部器質的変化と腰痛との関連性を明らかにすることを最終的な目標としている。X1型コラーゲンは軟骨組織特異的に存在するコラーゲンである。StickIer症候群は腰部軟骨など様々な部位に変異が観察されるが、X1型コラーゲンの変異がその主な原因とされている。本年度は特に体操競技選手において、腰部器質的変化とXI型コラーゲンα1鎖の遺伝子多型との関連性を検討した。対象は大学体操競技選手103名であった。MRIにより腰部器質的変化を同定した。口腔粘膜より採取した細胞を用いてDNAを抽出し、Taqmanプローブ法にてCOUIA1のSNP(rs167648)の有無を検出した。年齢、体重、BMI、性別、競技体操の経験年数、COUlA1遺伝子型などを独立変数とし、腰部器質的変化を従属変数としてロジスティック回帰をおこなった。その際腰部器質的変化を詳細に分類し、発生頻度の高かった椎間板変性、隅角解離、シュモール結節などを従属変数として解析を行った。椎間板変性、シュモール結節に関しては単回帰あるいはロジスティック回帰のいずれにおいても有意な独立変数を見出すことはできなかった。一方隅角解離においてCOLIlA1のSNPおよび年齢と競技年数が有意な独立変数として選択された。特に年齢と競技年数が有意な独立変数として選択されたことから、隅角解離の発生に関しては若年期における腰部へのストレスが原因として考えられた。それに加えて遺伝的な素地が加わることにより隅角解離発生を惹起する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに競技選手の腰部器質的変化に関するいくつかの原因遺伝子を抽出することができてり、おおむね予定通りの進行であると考えられる。また得られた成果は国際学術誌に受理されており、学術的な水準も保たれている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度はこれまで通り被験者の人数及び競技の種類を増やしてさらに多角的に腰部器質的疾患の原因を探っていく。これに加えて、腰部器質的変化と腰痛に関しても検討を進めていきたいと考えている。
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Research Products
(2 results)