2011 Fiscal Year Annual Research Report
運動によるモノカルボン酸輸送担体発現機序におけるAMPキナーゼ活性効果の検証
Project/Area Number |
22500616
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Research Institution | Osaka University of Health and Sport Sciences |
Principal Investigator |
浜田 拓 大阪体育大学, 体育学部, 准教授 (00466294)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 達也 京都大学, 人間・環境学研究科, 准教授 (00314211)
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Keywords | 一過性運動 / MCT / AMPK / 骨格筋 / CD147 / 運動強度 |
Research Abstract |
本研究では異なる運動強度の一過性運動によるMCT1とMCT4発現効果を検証した。また、本実験では、MCT1とMCT4のシャペロン分子として機能するCD147タンパクの効果についても検証した。実験は雄性SDラットを用いて、安静群、高強度・短時間運動群、低強度・長時間運動群に分類して行った。高強度・短時間運動群は、ラットに体重18%の重さの錘を付け、20秒間の水泳運動後、20秒間の休憩を挟むインターバル水泳運動を15セット負荷した。乳旨酸性閾値未満の低強度・長時間運動群は無負荷で3時間の水泳運動を45分の休息を挟んで2セット行わせた。両運動終了直後から24時間後まで経時的に滑車上筋と上腕三頭筋を摘出し、MCT1とMCT4のmRNA量とタンパク質量を分析した後に安静群と比較した。また、一過性運動によるMCT発現効果に対するリン酸化酵素を検証するため、有力視されるAMPキ-ナーゼ(AMPK)、カルモジュリン依存性プロテインキナーゼ(CaMKII)、分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼ(p38MAPK)のリン酸化量を測定した。高強度と低強度での両一過性運動により上昇したリン酸化酵素はAMPKのみだった。また、高強度と低強度の両運動によりMCT1とMCT4 mRNA量も増加したが、タンパク質量の増加は異なった。MCT4タンパク質量は、高強度・短時間により増加したが、CD147タンパク質量は増加しなかった。対照的に、MCT1とCD147タンパク質量は、低強度・長時間運動直後に急性に増加し、運動終了18~24時間後まで持続した。本実験の結果から、一過性運動による骨格筋のMCT1とMCT4 mRNA量の増加は運動筋のAMPK活性化効果を介して惹起するが、タンパク質量増加には関与しない可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究室スタッフが少なく、分析するサンプル数が多いことから、測定と分析に時間がかかっているため計画していた単離筋を用いたin vitro実験が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
一過性運動による骨格筋のモノカルボン酸輸送担体発現増加におけるAMPキナーゼ活性化を検証していくため、AMPキナーゼ活性化剤やAMPキナーゼリン酸化を抑制する薬剤などを用いて単離筋レベルで研究を進めていく。
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