2012 Fiscal Year Annual Research Report
リジリエンシーの評価および育成による有効な生活習慣介入法
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22500620
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
渡辺 英綱 福島県立医科大学, 医学部, 研究員 (70264546)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | リジリエンス / 生活習慣病 / 精神回復尺度 |
Research Abstract |
増加する保健指導対象者に効果的に対処するために、これまで保健指導の点で評価されたことの無い「心の回復力(レジリエンシー)」を評価、育成することで、「真に予防的な対応」のできる保健指導受診者を増加させ、効果的生活習慣改善法(減量効果と生活習慣改善の継続性)を創出することを目的とし、有所見者および保健指導介入希望者のレジリエンシーを評価した。 前回、肥満や正常血圧高値を呈する学生において、精神回復尺度は低値で、かつ悪い生活習慣を有していた。また、肥満や正常高値血圧を有さない学生においても生活習慣得点が低く、悪い生活習慣を有すれば精神回復尺度も低値となった。 今回、肥満の学生に対して生活習慣改善支援後に減量可能であった群は有意ではないが精神回復尺度の増加を認め、特に肯定的な未来志向度が有意に増加した。減量による二次的変化か否かを検討すべく、介入直後の減量効果が出る前の精神回復尺度を測定すると減量可能群の肥満学生において有意な増加を認め、減量後も精神回復尺度は減量可能群で高値で、介入直後、および介入後の精神回復尺度の変化で減量効果を予測できる可能性がある。同様にして職員特定健康診断にて、情報提供以上の要支援群においてレジリエンスを評価すると、支援を希望しない群より、支援を希望する群において精神回復尺度は低値で、支援希望群において、減量可能であった群は、有意に精神回復尺度得点が増加した。 以前からレジリエンスの「肯定的な未来志向」にスポーツ成長感と時間的展望体験が大きく影響しているとしているとの報告があることより、運動習慣がレジリエンスの形成に関与している可能性とレジリエンスが減量効果に及ぼす要因である可能性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
健診項目有所見者、保健指導介入希望者に関するレジリエンスを精神回復尺度より評価し、有所見者および保健指導希望者の特徴が把握でき、これまでの保健指導がレジリエンスに与える影響を検討可能になった。 肥満学生に対する調査より、減量効果が出る以前にリジリエンスが改善し、その後減量しており、リジリエンスが減量効果を上げる可能性がある。特定健診受診者を対象とした研究でも同様の効果が認められ、学生から成人まで同様の効果と生活習慣改善支援の減量効果が認められない群でレジリエンスは改善しないことから、リジリエンスの評価により生活改善支援効果を予測できる可能性が考えられた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、対象を肥満学生より特定健康診断受診対象者とし、レジリエンスの評価と生活習慣支援効果の関連性の検討を継続する。これまでの保健指導希望の有無とレジリエンスの関連性、保健指導の効果とレジリエンスの変化にはどのような関連性があるのか検討する。また、保健指導の継続性とレジリエンスの関連性を検討する予定である。 更に対象を糖尿病患者に拡大し、レジリエンス評価と生活習慣の改善が糖尿病患者においても同様の傾向にあるか、検討予定であるが、糖尿病患者のレジリエンス評価がこれまで同様の精神回復尺度評価で問題がないか検討を要する。
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Research Products
(2 results)