2011 Fiscal Year Annual Research Report
大学生における非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)と生活習慣に関する調査研究
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22500621
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
宮川 八平 茨城大学, 保健管理センター, 教授 (20219728)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 千代子 茨城大学, 保健管理センター, 准教授 (80312776)
竹下 誠一郎 茨城大学, 教育学部, 教授 (50369542)
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Keywords | 非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD) / 大学生 |
Research Abstract |
平成23年度も、前年度に引きつづき茨城大学において定期健診を受けた大学生6060名(男3629名、女2431名、平均年齢21.4±1.2歳)のBMI、および体脂肪率を測定し、男女別・学年別に肥満およびやせの割合を調査し、それぞれの割合を比較検討した。体脂肪率が男子で30%以上、女子で35%以上の肥満の学生のうち、インフォームドコンセントの得られた60名(男14名、女46名)を対象に腹部超音波検査により脂肪肝の判定をおこない、大学生における脂肪肝の出現頻度を調べた。同時に食物摂取状況調査をおこない、栄養ソフトにより、エネルギー、脂質、食物繊維摂取量などを算定した。脂肪肝の診断は腹部超音波検査によりおこない、エコー減衰率、エコー輝度、肝静脈像の抽出度、肝腎コントラスト比の項目を0,1,2にスコア化し、合計点数が0:正常、1-3:軽度、4以上:中等度に分類した。肥満男子学生の50%が中等度の脂肪肝を呈した。一方、肥満女子学生のうちわずか6.5%が中等度の脂肪肝を呈するのみであった。内臓脂肪の蓄積(腹囲が男性が85cm以上、女性が90cm以上)の指標として、腹部超音波法に内蔵脂肪厚(PFT)(生物資料分析34(2):147-150,2011)を測定した。男子学生の83%がメタボリック予備軍に該当し、そのうち6名が中等度の脂肪肝を呈し、男子学生においてはNAFLDがメタボリック症候群の肝臓における表現型となる可能性が示唆された。平成23年度にはヨーロッパ消化器病学会(平成23年10月、ストックホルム)に参加し、欧州における非アルコール性肝炎の研究動向について情報収集をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度交付申請書に記載した1)非アルコール性脂肪肝(NAFLD)の実態2)体脂肪率が男子で30%以上、女子で35%以上の肥満の学生を対象に食事調査をおこなう。3)メタボリック症候群の合併頻度についてほぼ計画どおりに達成されている。
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Strategy for Future Research Activity |
非アルコール性脂肪肝(NAFLD)の病因として脂肪酸に着目し、食事調査から脂肪酸の摂取量を算定し、その過剰供給の観点からfirst hit、second hitにおける役割について検討をおこなう。ヨーロッパ臨床栄養学会に出席し、栄養学における最新の情報を得ることに努める。
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Research Products
(6 results)