2010 Fiscal Year Annual Research Report
子ども達の睡眠習慣の改善が心身の健康やQOLの改善に及ぼす効果
Project/Area Number |
22500624
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
神川 康子 富山大学, 人間発達科学部, 教授 (50143839)
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Keywords | 睡眠習慣 / 起床困難 / 幼児 / 改善効果 / 起床前漸増光 / 生活の質(QOL) / 就寝時刻 / 生活の自己管理 |
Research Abstract |
平成21年度までの科学研究費補助金では、小学生を対象に睡眠習慣と学力との関連や、起床前漸増光照射による起床困難の改善が日中のパフォーマンスを向上する可能性について報告を行ってきた。本年度からは発達段階に応じた睡眠習慣改善プログラムを作成する目的で研究を進展させる。そこで今年度は、小学生で検証した起床困難改善の試みが、心身の発達の重要な時期である幼児にも効果が認められるのかをまず検証することとした。富山県において日照時間の短い冬至前後(11月~1月)に起床前漸増光照射による起床方法の検証実験に理解と承諾を得られた保育所と家庭において、睡眠調査・記録・実験を行った。 結果の分析により、起床予定時刻の30分前からの漸増光照射照明を使用することで、就寝時刻(10時以降37.9%→28.4%)、起床時刻(7時以降59.3%→53,2%)が早まる有意な改善と、自立起床が有意に増加(15.6%→31.5%)し、起床直後(「良い」が429%→58.3%)と起床1時間後の気分(「良い」が47.3%→58.0%)を有意に改善することがわかった。しかし小学校4,5年生で認められた日中のパフォーマンスの有意な改善は認められず、実際に改善が認められないのか、記録者が家庭では保護者であるのに対し、日中は保母であったことの違いによるものかについては、今後さらなる検討が必要な課題として残った。しかし、夕食時の食欲は有意に改善(「良い」が5a6%→664%)したことから、日中のQOLの改善効果は否定はできない。また、各被験者の平均起床時刻から「7時前早起き群3名」と「7時以降遅起き群7名」に分類し、漸増光照射照明使用による改善傾向を検討したところ、「早起き群」では3名とも起床時の気分に変化はみられなかったが、「遅起き群」では7名中3名に起床時の気分が有意に改善されたことから、漸増光照明は「遅起き群」でより効果が認められることが推察できた。
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Research Products
(8 results)