2010 Fiscal Year Annual Research Report
ストックを用いた運動に着目した生活習慣病および介護予防の効果とそのプログラム構築
Project/Area Number |
22500636
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
寄本 明 滋賀県立大学, 国際教育センター, 教授 (30132278)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南 和広 滋賀県立大学, 国際教育センター, 准教授 (30398812)
中井 誠一 京都女子大学, 家政学部, 教授 (90090092)
新矢 博美 京都女子大学, 発達教育学部, 教授 (70201564)
芳田 哲也 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (00191601)
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Keywords | 介護予防 / ストック運動 / 支援システム |
Research Abstract |
高齢者を対象にストックウォーキングおよびストック体操を地域で実施し、その効果を検証した。 研究は日頃、運動を実施していない高齢者を対象として、ストックウォーキングおよびストック体操の運動プログラムを実践した。運動処方の内容はウォーキングの場合、最大持久力の40~50%強度程度で、ウォーキング体操の場合、数種類の内容を各個人に選定し、運動時間は1回20~30分程度、運動頻度は3~4回/週を目標とした。但し、その実施に関しては各個人の意志に任せた。実施状況は運動の内容とその量を運動日誌として記録し、把握した。また、各個人の体力の現状に応じて個別に運動内容を検討、処方した。運動開始1~2カ月間は教室を開催し、その後は各個人で実施した。また、期間中は支援プログラムとして高齢者自らが作成したプログラムを実践し自己点検した。支援態勢のもと数週間に1回程度は高齢者が集まり、運動継続のための目標や内容の修正と啓発を一方的に行うのではなく被験者間の情報交換と自立を促し行った。なお、アウトカム評価として、プログラム開始・経過・終了時に血液検査、形態および機能測定を行い、ヘルスプロモーションとしての効果を検討した。 その結果、ストックを用いた運動の実施は形態値および血圧値を安定維持させていた。加速度脈波測定値からみた血管の老化度は、その進行を防ぎ、改善させることが推察された。骨質については踵骨の骨密度の低下を防止し,骨密度の維持・増加に有効であった。呼吸器における換気能力の向上および内外肋間筋や横隔膜の呼吸筋の筋力向上が認められた。一方、体力水準では全身の筋力とも関連する握力の改善効果が認められ、素早い身のこなしや機敏な動きと関連する瞬発力や敏捷性にも改善効果が認められた。ストックを用いたウォーキングや体操は高齢者のヘルスプロモーションとしてその実用性は高いと考えられる。
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