2011 Fiscal Year Annual Research Report
ストックを用いた運動に着目した生活習慣病および介護予防の効果とそのプログラム構築
Project/Area Number |
22500636
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
寄本 明 滋賀県立大学, 国際教育センター, 教授 (30132278)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南 和広 滋賀県立大学, 国際教育センター, 准教授 (30398812)
中井 誠一 京都女子大学, 家政学部, 教授 (90090092)
新矢 博美 京都女子大学, 発達教育学部, 教授 (70201564)
芳田 哲也 滋賀県立大学, 工芸科学研究科, 准教授 (00191601)
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Keywords | 介護予防 / ストック運動 / 支援システム |
Research Abstract |
本研究では生活習慣病、メタボリックシンドロームや要介護状態の予防として、ストックを用いたウォーキングやストックを用いた体操の生理的効果を検証し、さらに用具の改良、動作解析、地域・施設への定着化のためのプログラムや支援システムの構築を行うことを目的とする。 本年度は地域住民を対象に生活習慣病およびメタボリックシンドローム予防として6ヶ月間のウォーキングを実施した。対象者はメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の診断基準を超えた危険因子を一項目でも有している31~72歳の中高年者50名(男29名、女21名)であり、被験者は個人の希望により通常のウォーキングを行うノーマルウォーキング群とストックを用いたウォーキングを行うストックウォーキング群に分けウォーキングを主体とした健康づくり教室を行った。プログラム開始時、3ヶ月後および6ヶ月後の形態、機能、血液性状、骨質等の測定を行い、生理的な効果について比較検討を行った。 ストックウォーキングは体重、腹囲、BMI、体脂肪率において有意に低下を示し、ノーマルウォーキングでは体重とBMIに低下が認められたが、ストックウォーキングと比べてその低下率は小さかった。血清脂質において、ストックウォーキングはTC、TG、AIで有意な低下を示し、HDL-Cでは増加していた。ノーマルウォーキングはTG、AIで有意な低下を示し、HDL-Cでは増加した。ストックウォーキングではノーマルウォーキングに比べその変化率は大きく、血清脂質への改善効果が夫きい。骨質において超音波伝播速度および骨質ランクには改善傾向が見られるが、有意な変化ではなかった。骨梁面積率はストックウォーキングで、ノーマルウォーキングより有意に大きな上昇を示した。 これらのことよりストックウォーキングは中高年者にとって生活習慣病やメタボリックシンドロームの危険因子を安全に改善する可能性のある運動と考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ストックを用いたウォーキングやストックを用いた体操の生理的効果を検証しており、生活習慣病、メタボリックシンドロームや要介護状態の予防効果が明らかになりつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
ストックウォーキングおよびストック体操の運動処方的検証の結果に基づき、中高齢者自らが自宅及びその近隣で実践できるプログラムの作成を再検討し、地域の保健センターや老人保健施設での支援態勢およびシステムを構築する。地域の保健センターや老人保健施設の現場と共同で支援態勢およびシステム、普及・啓発を点検・検討する。
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