2010 Fiscal Year Annual Research Report
園芸療法生理的評価法の開発-臨床現場における患者・支援者のストレス軽減を探る
Project/Area Number |
22500637
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
豊田 正博 兵庫県立大学, 兵庫県立大学大学院・緑環環境景観マネジメント研究科, 准教授 (30445051)
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Keywords | 心身の健康 / 園芸療法 / 園芸 / ストレス / クロモグラニンA / アミラーゼ / フラワーアレンジ |
Research Abstract |
本研究の目的は、園芸療法臨床現場における生理的評価法の開発と園芸療法による患者、利用者、園芸療法に関わる職員のストレス軽減の検証である。今年度は、生理的ストレス評価指標である唾液中のクロモグラニンAとαアミラーゼに注目し、園芸活動によるストレス軽減の検証と唾液試料採取時期を探った。また、質問紙STAIを行いて活動前後における不安状態を調査した。 1回目は、健常成人23名(男性3名、女性20名、年齢平均55.1歳)を対象に、約30分間のフラワーアレンジメントの活動前、活動中、活動終了直後に唾液を採取した。その結果、クロモグラニンA濃度は、活動前、中、後と減少し、活動後の濃度は活動前と比べて有意(p<0.05)に減少した。一方、αアミラーゼ濃度は、活動前と活動中、活動前と活動終了直後で有意(p<0.05)に増加した。活動前後におけるSTAI得点は有意(p<0.01)に減少し、不安軽減がみられた。 2回目は、1回目とは別の健常成人20名(男性3名、女性17名、平均年齢61.5歳)を対象に同内容の活動を行った。その結果、クロモグラニンA濃度は、活動前、中、後と減少傾向がみられ、活動前と活動中では有意に減少(p<0.05)した。αアミラーゼは、1回目と異なり、活動前と活動中、活動前と活動後では減少した。活動前後におけるSTAI得点は有意に(p<0.05)減少した。 1回目、2回目ともSTAIで不安減少が認められたことから、フラワーアレンジメントによってストレス軽減がみられることが明らかになった。 唾液クロモグラニンAは、2回とも園芸活動中と活動終了直後に減少していることから、園芸活動におけるストレス軽減をとらえる生理的指標として有効であり、採取時期は、活動前と活動中、または活動前と活動終了直後が妥当と考えられた。
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