2011 Fiscal Year Annual Research Report

自己決定理論に基づく変容プロセスが高齢者の運動行動変容に及ぼす影響に関する研究

Research Project

Project/Area Number	22500639
Research Institution	Yamaguchi Prefectural University
Principal Investigator	青木邦男山口県立大学, 社会福祉学部, 教授 (80142826)
Keywords	自己決定理論 / 運動行動変容 / 高齢者 / TTM
Research Abstract	在宅高齢者729人(男性377人、女性352人)を分析対象者として、TTM(Trans theoretical Model)の構成要素である(1)運動行動のステージ、(2)意志決定のバランス、(3)セルフ・エフィカシー、(4)変容プロセス及び自己決定理論に基づく動機づけ尺度等を調査し、自己決定理論に基づく動機づけ尺度の因子構造と構成要素間の関連を分析した。その結果、以下のことが明らかになった。 1)自己決定理論に基づく動機づけ尺度のプロマックス法による因子分析の結果、「内発・同一視的調整」、「取り入れ・外的調整」、「非動機付け」および「外的調整」の4因子が見出された。運動行動ステージに対応する自己決定理論に基づく動機づけ尺度の有意な差異は明確に見出さなかった。 2)運動行動のステージ分布は前熟考ステージが男性28.4%、女性30.7%、熟考ステージが男性13.4%、女性15.2%、準備ステージが男性22.5%、女性23.4%、実行ステージが男性2.1、女性1.8%、そして維持ステージが男性33.6%、女性28.9%であった。 3)運動行動のステージと意志決定のバランス・Pros、意志決定のバランス・Cons、セルフ・エフィカシー、変容プロセスの認知的プロセス、行動的プロセスとの間の相関はr=0.242、r=-0.162、r=04120、r=0.446、r=0.538(すべてp<0.001)であった。在宅高齢者を対象としてTTMの構成要素の測定尺度の妥当性が一定程度見出されたが自己決定理論に基づく動機づけ尺度が介入に必要な因子構造を示さなかった。平成24年度は改めて自己決定理論に基づく動機づけ尺度を作成し、その信頼性と妥当性の検証を経て、介入研究を試行する。
Current Status of Research Progress	Current Status of Research Progress 3: Progress in research has been slightly delayed. Reason 自己決定理論に基づく動機づけ尺度の因子構造(5因子:(1)内発的動機づけ、(2)同一視的調整、(3)取り入れ的調整、(4)外的調整、(5)非動機づけ)及び妥当性・信頼性が不十分であったために、他の運動行動ステージの諸要因と明確な関連が見出せなかった。
Strategy for Future Research Activity	自己決定理論に基づく動機づけ尺度を修正して、65歳以上の在宅高齢者1,200を調査対象とし、改めてTTMの構成要素、自己決定的変容プロセス及び動機づけ並びに介在・関連要因を再調査する。その上で、平成22,23年度の調査結果及び本年度の調査結果を総合的に分析を行う。