2010 Fiscal Year Annual Research Report
未規制たばこ製品、特にガムたばこの有害性に関する研究
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22500645
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
遠藤 治 麻布大学, 環境保健学部, 准教授 (10194028)
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Keywords | 有害化学物質 / たばこ |
Research Abstract |
初年度にあたる平成22年度は、ガムベース試料から変異原性成分抽出手法の作成を中心に研究を実施した。今年度得られた結果の大要は以下の通りである。 (1)試料前処理方法:ガムたばこには甘味料・香料などたばこ以外の成分も添加されていることが知られている。今年度は、食品や環境試料からの変異原性有機成分の抽出に汎用されている4種類の有機溶媒(ジクロロメタン、ジメチルスルホキシド、メタノール、アセトン)を用いて試料前処理方法について検討を行った。ジクロロメタン抽出物には比較的大量のガムベースが含まれ、濃縮操作にも支障が生じた。メタノールおよびアセトン抽出ではガムベース成分は殆ど溶出しなかったが、濃縮過程で析出した成分が(変異原性試験用の)ジメチルスルホキシドに溶媒転換した際不溶性成分として残存が認められた。ジメチルスルホキシドで直接抽出した場合、ジクロロメタンほどではないもののガムベースの溶出が認められた。 (2)毒性試験:遺伝子毒性(変異原性)試験への応用を念頭に、ガムたばこ試料を定性的な変異原性試験であるスポット・テストに供した。代表的なエイムス試験菌株5種類(TA1535,TA100,TA98,TA97,YG1024)を用いラット肝S9mixによる代謝活性化を行った場合と行わない場合の両条件下で試験したところ、いずれの菌株・条件下でもコロニー数の増加は認められず、また明瞭な菌の生育阻害も認められなかった。一方、試料前処理方法の妥当性を検討するために、たばこ葉抽出物とその亜硝酸処理試料の変異原性を比較した結果、亜硝酸処理により変異原性の増強が認められた。
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Research Products
(2 results)