2011 Fiscal Year Annual Research Report
未規制たばこ製品、特にガムたばこの有害性に関する研究
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22500645
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
遠藤 治 麻布大学, 生命・環境科学部, 准教授 (10194028)
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Keywords | 有害化学物質 / たばこ |
Research Abstract |
本研究は未規制たばこ製品とその使用による健康影響対策に資する基礎的資料を作成することを目的としている。 2年目にあたる平成23年度は、スウェーデン製ガムたばこ「ファイヤーブレイク」及び国産紙巻たばこ3種(マイルドセブンオリジナル、セブンスター、ホープ)を被験試料とし、それらの抽出物及び亜硝酸反応生成物の変異原性評価を中心に研究を実施した。変異原性試験はサルモネラTA100及びTA98両菌株を用い、ラット肝S9mix添加・無添加両条件下でプレインキュベーション法により行った。今年度得られた結果の大要は以下の通りである。 (1)ガムたばこ単独では明瞭な変異原性は認められなかった。(2)国産紙巻たばこ葉3種は主にTA98株S9mix添加条件下で弱い変異原性が認められた。(3)被験試料に亜硝酸処理を行ったところ国産紙巻たばこ葉3種はいずれも菌株・S9mix添加の有無にかかわらず明瞭な変異原性が認められ、またガムたばこでも条件により変異原性が認められた。(4)亜硝酸反応過程におけるpHの比較実験から酸性条件下でより強い変異原性が認められた。これらの結果から、口腔がん等のリスク要因とされている噛みたばこ同様(Whongeta1.,1985)、ガムたばこについても亜硝酸処理により、発がん関連物質が生成する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた動物投与実験の予備実験は若干遅延しているものの、一方で亜硝酸反応生成物の追加実験を行った。その結果、ガムたばこについても亜硝酸処理により、発がん関連物質が生成する可能性を見出し、その成果を日本薬学会第132年会において発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年にあたる平成24年度は、ガムたばこ及び関連製品(禁煙補助剤、たばこ葉など)に含まれるニコチン分析と、動物に対する投与実験を中心に行う。最終年度にあたり、これまでに得られた研究成果とあわせて、未規制たばこ製品の規制や対策に有用な基礎的資料を構築する予定である。
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Research Products
(3 results)