2011 Fiscal Year Annual Research Report
分子基盤に立脚する栄養指導を目指した糖尿病腎症低タンパク質食事療法の効果機序解明
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22500650
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Research Institution | Kagoshima Prefectural College |
Principal Investigator |
有村 恵美 鹿児島県立短期大学, 生活科学科, 助教 (40552964)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀内 正久 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 准教授 (50264403)
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Keywords | 栄養指導 / 食事療法 / 糖尿病 / 糖尿病腎症 / 食事たんぱく質 / 動物モデル / インスリン分泌不全 / レプチン受容体 |
Research Abstract |
【目的】糖尿病腎症第1,2期の食事療法は、血糖コントロールを主体とするため、炭水化物摂取を抑えるあまり高たんぱく食傾向(食品交換表全配分例:たんぱく質エネルギー比率18%)にある。腎症第2期でも、たんぱく質推奨量0.9g/kg/日よりも高い設定である。糖尿病自体がCKD(慢性腎疾患)のハイリスク群であるにも関わらず、健常者より高たんぱく食であることが、腎症患者増加の一要因と考えられる。一方、腎症第3期以降はたんぱく制限食で、腎症第1,2期の食事療法との違いに困惑する症例が多い。現在の糖尿病食事療法が適切であるかどうか、たんぱく質摂取量が糖尿病病態に及ぼす影響について、検討可能な動物モデルを設定し解析を行った。その結果、低たんぱく食は過食を抑制し、腎機能悪化抑制とともに、糖代謝悪化抑制又は改善する事を報告した(European Journal of Nutrition 2012,in press)。本研究では、確立した動物モデルにて、より早期において、低たんぱく食が2型糖尿病の糖代謝・腎機能に及ぼす影響について再度検討し、適正な食事療法開発のための科学的根拠の獲得を目的とする。 【方法】4週令雄性2型糖尿病モデルマウス(dbマウス)と野生型マウス(Cマウス)を用いた。たんぱく質エネルギー比率が12%(L食)、24%(H食)となる食餌(エネルギー量・脂質量一定)を用いて、4群(db-L、db-H、C-L、C-H)の摂食量が同じとなるようにした(ペアーフェッド実験)。メタボリックケージにて2週間飼育した。 【結果】db-L食群では、摂水量、尿量、尿糖定量、尿中アルブミン定量、腎臓重量は、db-H食群に比べて有意に(p<0.001)低値を示した。一方、C-L食群では、尿中Cペプチドは、C-H食群に比べて低い傾向(p=0.07)を示した。摂水量と尿量には高い正相関(r=0.98)を認めた。 【結語】糖尿病早期において、低たんぱく食が腎機能悪化抑制だけではなく、糖代謝悪化も抑制する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
低たんぱく食は、自由摂食条件下、ペアーフェッド条件下で、腎機能悪化抑制・糖代謝悪化抑制又は改善する事を見出した(European Journal of Nutrition 2012,in press)。 より短期間での観察(メタボリック・ペアーフェッド条件下)でも見出した。
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Strategy for Future Research Activity |
メタボリック・ペアーフェッド条件下(2週間飼育)での腎機能・糖代謝へ及ぼす影響について、検討済みであるため、低たんぱく食のより短期間での糖代謝へ及ぼす影響について検討する。 (1.混合液の経口負荷試験、2.ソマトスタチン処理によるインスリン分泌抑制条件下での経口負荷試験)
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