2011 Fiscal Year Annual Research Report
日本人向けカーボカウントの有用性と指導者育成に関する研究
Project/Area Number |
22500654
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Research Institution | Department of Clinical Research, National Hospital Organization Kyoto Medical Center |
Principal Investigator |
佐野 喜子 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 臨床研究企画運営部, 研究員 (20399603)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂根 直樹 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 臨床研究企画運営部, 研究室長 (40335443)
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Keywords | 糖尿病 / 血糖コントロール / カーボカウント / 患者教育 / 簡易食物頻度調査FFQ / IT活用 |
Research Abstract |
1、血糖コントロール悪化の要因解析 糖尿病患者44名(1型26名,2型18名)を対象に食事調査をおこない、毎食の主要栄養素のエネルギー比率を算出し、各種指標(BMI,HbA1c,TG,TC,HDL-C,LDL-C)との関連性について解析したところ、高BMIと炭水化物エネルギー比が高いことが判明した.血糖コントロール改善には毎食の適正な炭水化物量の摂取と炭水化物に合わせたインスリン調節の重要性が示唆された. 2、「毎食の炭水化物摂取量に注目した食事診断システム」の開発と妥当性・再現性の検討 食事別の炭水化物摂取状況を評価するために、摂取形態別「作って食べる・買って食べる・外食・食べない」に料理メニューとポーションサイズの画像を確認しながら回答する、タブレット情報端末を用いた食物摂取頻度調査法(カウントJOY)を開発した.54名(学生,一般成人,1型糖尿病患者)を対象に本調査法と3日間の食事記録法を実施し、両調査間の妥当性を検討した.エネルギー、炭水化物、たんぱく質、脂質、食塩は0.52,0.54,0.58,0.24,0.52また、3食の炭水化物量はそれぞれ0.52,0.47,0.69と統計的に有意な相関が得られた.再現性は35名(学生)を対象に検討し、それぞれ0.72,0.82,0.78と有意な相関を得られた.このことから、カウントJOYは毎食の栄養量を評価するための有用な調査方法であることが示唆された。 3、日本人向けカーボカウント教育用テキストの作成 前年度に引き続き『糖尿病の食事療法カーボカウントナビ2おうちごはん編』164頁を作成した.教育用テキストとして、カーボカウント基礎を理解するための基本情報を8つのQ&Aで掲載(P9-40)、ビギナーが導入しやすいように7ステップ(P41-48)に分けてチェックシートや記録シート、ミニ情報コラム(17)を取り入れたワークブック形式(P138-150)を採用した.また、日本人にとって炭水化物寄与率の高い「主食」に重点を置いて編集(P49-137)を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
京都医療センター1型、2型糖尿病外来の患者に対する「食事診断システム(カウントJOY)を活用した食事指導における効果と利便性の評価の検討」のn数が目標に達していない.
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Strategy for Future Research Activity |
問題点:専門外来のため、指導対象の限度枠があるので「指導効果と利便性の検証」m数が確保できない. 対応策; ・「食事指導の効果」に関する検討:食事指導件数にこだわるのではなく、患者への介入症例(3か月)として個別評価として検討する. ・「指導の利便性」に関する検討:糖尿病予防事業(集団学習)において教育ツールとして用い、その後に参加者並びに指導者に対し、アンケートで予め定めた評価基準に対する相対評価を実施する.
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