2011 Fiscal Year Annual Research Report
圧受容体反射による2型糖尿病患者のリスク層別化と魚油製剤による心血管イベント抑制
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22500668
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
油布 邦夫 大分大学, 医学部, 助教 (00437930)
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Keywords | N-3 Polyunsaturated Fatty Acids / Heart Rate Variability / autonomic function |
Research Abstract |
虚血性心疾患患者において不飽和脂肪酸の血中濃度と,ホルター心電図から求めた心臓自律神経の指標である心拍変動(HRV)を解析し,その関連性について検討した。平成23年6月から9月まで虚血性心疾患患者を有し冠動脈造影を行った47名を対象に空腹時の不飽和脂肪酸の血中濃度を測定。また,24時間ホルター心電図からHRVを解析。N3不飽和脂肪酸を含んだ薬剤およびのサプリメントを内服している患者は除外。EPAとDHAの和はHFと負の相関を,LF/HFとも負の相関を示した。心拍変動のもうひとつの指標であるSDNNとの関連では、EPAとDHAの和はSDNNと負の相関を示した。EPAはHFと負の相関を,DHAをLF/HFと負の相関を示した。女性におけるN3不飽和脂肪酸とHRVの相関を示した。EPAとDHAの和はHFと負の相関を示し,LF/HFとの間に相関は認められなかった。男性においてはEPAとDHAの和は,HFとは有意な関係を示さず,LF/HFと有意な負の相関を示した。まとめれば、高齢の虚血性心疾患患者を対象とした我々の解析では,N3不飽和脂肪酸とHRVの間には明らかな相関関係を認めた。また、相関の内容が男女において異なった。将来的にはこれらの患者のうち,必要と判断した患者には魚油製剤であるイコサペント酸エチルを投与しており,投与後のホルター心電図を解析中である。どのような患者においてN3不飽和脂肪酸を多く含んだ食事や薬が有効であるかを検討したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
EPA-E(魚油)による心血管イベント抑制の解明を行う上でもともと体内にあるEPA,DHAの基礎値と自律神経機能の関係に関する調査が進んでおりおおむね順調に進展していると考えた。
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Strategy for Future Research Activity |
EPAの基礎値が少ない患者にEPAを投与して自律神経機能がどう変化するかをつきつめてゆく。できれば各々の食生活の違いにおいても変化があるのかアンケート法などによっても追及したい。
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