2010 Fiscal Year Annual Research Report
中高年女性のメタボリックシンドローム是正を考慮した骨粗鬆症予防プログラムの開発
Project/Area Number |
22500671
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
久保田 恵 岡山県立大学, 保健福祉学部・栄養学科, 准教授 (80254564)
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Keywords | 中高年女性 / メタボリックシンドローム / 骨密度 |
Research Abstract |
【目的】近年、国民のメタボリックシンドロームへの関心は非常に高まっている。特に女性では閉経により脂質代謝異常症や動脈硬化症を惹起するが、閉経後どれぐらいの時間経過でこれらが顕在化してくるのか十分に解明されていない。メタボリックシンドロームの予防や改善のためには、肥満者の体重減少が第一義となるが、反面体重減少は一般的には骨密度の低下を伴うことが多い。そこで、本研究ではメタボリックシンドローム改善、すなわち脂質代謝異常症や動脈硬化症の進展、及び骨密度の低下を招かない体重減少を考慮した骨粗鬆症予防支援プログラム開発を目的とする。【方法】4週齢雌ラットを動脈硬化肥満モデル(1):OLETF/OVX/高脂肪食(2):OLETF/OVX/普通食(3):OLETF/偽手術/高脂肪食(4):OLETF/偽手術/普通食対象モデル(5):LETO/OVX/高脂肪食(6):LETO/OVX/普通食(7):LETO/偽手術/高脂肪食(8):LETO/偽手術/普通食に分けた。閉経モデルは卵巣摘出術により作成し、肥満群は40%高脂肪食の摂取により作成した。飼育終了後、大腿骨骨密度、体脂肪量、血中エストロゲン・レプチン、アディポネクチン濃度、及び動脈硬化指数を測定した。【結果】1.身体組成:全身体脂肪率(%)は、OLETF/OVX/高脂肪食が最も高く、同じ条件ではOLETF群の方がLETO群より体脂肪量が多かった。これに対して除脂肪体重はLETO/偽手術/普通食群が最も高い値を示した。2.骨密度:全身および大腿骨の骨密度はOVXにより有意に低下したが、LETO群の方がOLETF群より低下が大きく、体脂肪量が多い群ほど骨密度の低下が抑制された。3.血中エストロゲン・レプチン、アディポネクチン濃度、及び動脈硬化指数は体脂肪量の高いOLETF/OVX/高脂肪食群において最も高値であったが、統計的な有意差は認められなかった。
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