2011 Fiscal Year Annual Research Report
加齢・老化・酸化ストレス負荷による脳内ビタミンC動態と神経変性障害防御効果の証明
Project/Area Number |
22500672
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
武藤 徳男 県立広島大学, 生命環境学部, 教授 (30112642)
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Keywords | 栄養学 / 細胞・組織 / 老化 / 脳神経疾患 / 免疫学 |
Research Abstract |
(D脳組織におけるビタミンC動態の解析から、特異的局在および保持・再生機構の存在の可能性について研究した。ビタミンC生合成不能ラット(ODSラット)および正常動物(Wistarラット)を用いて、潜在的ビタミンC欠乏状態が惹起されるビタミンC投与量を設定し、その時の脳内濃度の変化を血中濃度や他の組織中濃度と比較し解析した。この結果より、ODSラットにおいてヒトの潜在的ビタミンC欠乏モデルを作製できた(論文作成中)。また、脳に特異的に存在するビタミンCの輸送・保持機構について酸化ストレス障害との関係を解析し、免疫細胞における取り込み機構と比較検討した。さらに、潜在的ビタミンC欠乏時における脳および免疫組織における輸送タンパクの組織特異的発現の差異を分子レベルで解析した。加齢・老化時の潜在的ビタミンC欠乏状態のモデル動物を作成し、神経細胞障害防護についての研究を開始している。 (2)ビタミンCの神経細胞保護作用については、未分化神経細胞(ラット副腎髄質褐色細胞腫PC12細胞)を用いて、神経栄養因子による突起伸展や神経再生賦活、また活性酸素による神経細胞障害の面で解析した。その結果、安定型ビタミンC誘導体の添加により神経栄養因子の神経突起伸展作用が増強されること、また過酸化物による神経細胞の酸化障害が抑制されることを認めた。これにより最終年度に予定する神経細胞の各種酸化障害に対するビタミンCのストレス防御効果を解析する実験条件を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
潜在的ビタミンC欠乏モデルを作製できたが、加齢・老化時のビタミンC動態との比較が十分に進んでいないため。この遅れを克服することで、当初の研究目的を達成できると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
・潜在的ビタミンC欠乏モデル動物および正常飼育動物を使って、脳内のビタミンC動態および保持再生機構を分子レベルで解明し、脳内レドックス維持におけるビタミンCの第一義性を証明する。 ・老化モデル動物や実験的脳障害(参加ストレス)モデル動物の脳内ビタミンC動態を解析し、ビタミンC投与による防御効果を明らかにする。 ・神経及び免疫担当細胞におけるビタミンC輸送系を明らかにして、アンチエイジングファクターとしての生理的意義を確立する。
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Research Products
(1 results)