2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22500673
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
篠田 元扶 獨協医科大学, 医学部, 教授 (70084605)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤平 篤志 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (70307685)
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Keywords | 肥満 / 卵胞ホルモン / 摂食 / 基礎代謝 / 運動 |
Research Abstract |
卵巣摘出後の肥満成立機序を解明するために、(1)卵巣摘出(OVX)群、(2)偽手術対照(Sham)群、および(3)OVXラットにSham群と同量の飼料を給与するPaired Feeding(OVX-PF)群の3群を設けた。OVX後、OVX群の体重はSham群に比べて有意に増加し、OVX-PF群の体重はその中間値を示した。OVX群の摂食量はSham群に比べて有意に増加しており、体重増加の原因の一つは摂食量の差に基づくことが示唆された。しかし、OVX-PF群においてもSham群に比べて体重増加が生じることから、体重増加は摂食量だけでは説明できないことも明らかになった。 そこで次に、OVX後にOVX群でSham群より摂食量が増加する機序を追究する目的で、(1)OVX群および(2)Sham群を用い摂食調節因子の血中レベルを比較した。摂食調節因子としては現在までに多くのものが報告されているが、今回はペプチドYY(PYY)およびレプチンに注目し、これらの血中レベルを測定した。この結果、OVX群におけるPYYの血中レベルはSham群より低値であったことから、OVX群では摂食抑制が生じにくくなっていることが示唆された。一方、血中レプチンレベルは脂肪沈着量の多いOVX群でSham群より高値であるにもかかわらず摂食抑制がみられないことから、レプチン抵抗性が生じていることが示唆された。体重増加に影響を及ぼすもう一つの因子として基礎代謝率の低下がある。今回は基礎代謝率を間接的に表現する安静時体温を指標として測定を行った。この結果、OVX群の体温はSham群より低値であったことから、代謝面からも脂肪沈着が生じやすいことが示唆された。 以上の結果から、OVX群ではPYYなどの摂食抑制物質が減少するため摂食量が増加し、また基礎代謝率が低下するため肥満が生じるものと考えられた。
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Research Products
(3 results)