2010 Fiscal Year Annual Research Report
メバロン酸合成経路に着目したヘスペリジンによる骨代謝制御メカニズムの解明
Project/Area Number |
22500674
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Research Institution | Josai University |
Principal Investigator |
千葉 大成 城西大学, 薬学部・医療栄養学科, 助教 (30337779)
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Keywords | 骨組鬆症 / フラボノイド / ヘスペリジン / 骨密度 / 骨吸収 |
Research Abstract |
本年度の目標としてメバロン酸合成経路に着目したヘスペリジンによる骨代謝制御メカニズムを検討するために、メバロン酸(MV)またはゲラニルゲラニオール(GG・OH)とヘスペリジンを併用投与して骨量減少抑制効果について検討した。その結果、大腿骨全BMDおよび骨質の指標となる最大点荷重試験はOVXで低下したが、ヘスペリジン単独で増加し、さらに、ヘスペリジン+MV併用群で増加した。しかし、ヘスペリジン+GG併用群はOVX群と同等の値だった。血清中骨形成マーカーであるオステオカルシン(OC)はOVXで上昇したが、ヘスペリジン+GG併用群以外でその上昇を抑制した。血中骨代謝関連因子について、破骨細胞の分化形成に関与する可溶性RANI(Lおよび可溶性RANKLと破骨細胞の分化阻害物質である可溶性OPGとの比はOVXで上昇したが、特にαG+MV併用群で著しく上昇を抑制した。これらの結果から、ヘスペリジンの骨代謝調節は、HMG-CoA還元酵素を阻害に関与した調節と推測していたが、ヘスペリジンとGG-OHとの併用投与で骨密度上昇効果がみられなかったことから、ヘスペリジンはコレステロール合成経路の下流で何らかの影響を示すことが示唆された。今後は、骨代謝調節関連遺伝子の評価およびファルネシルピロリン酸(FFP)とヘスペリジンとの関係も検討していく予定である。現在、骨細胞培養実験を行い、ヘスペリジンによる破骨細胞の分化抑制活性や培養破骨細胞による骨吸収抑制活性を評価しているところである。
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