2010 Fiscal Year Annual Research Report
速筋線維の代謝能維持に対する伸張性運動の有効性に関する長期的な検討
Project/Area Number |
22500679
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
只野 ちがや 東邦大学, 医学部, 助教 (40261094)
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Keywords | アンチエイジング / 酸化ストレス / ラット / 加齢 / 骨格筋 / ミトコンドリア脱共役蛋白質 / ミトコンドリアDNA / DNA損傷 |
Research Abstract |
本年度は長期トレーニングの実施に先立ち,トレーニング条件の検討および加齢個体への短期的な運動の影響について検討を行った。まず,長期に実施可能な伸張性運動の条件についてはトレッドミルによる降坂運動の時間,頻度(週間),速度について検討し,トレーニング条件を決定し,既に一部については長期的トレーニングを行っている。一方,加齢個体(89週齢)に対する伸張性運動による酸化的損傷への影響については,一過性の運動について若齢個体(12週齢)と比較検討した。負荷はトレッドミルによるダウンヒル運動(若齢群:速度10m/min,勾配-16゜,3時間,加齢群:速度8m/min,勾配-7゜1.5時間)を用いた。運動終了の4時間後に大腿四頭筋を摘出し分析に供した。DNAの損傷を示す8-ヒドロキシデオキシグアノシン(8-0HdG)はミトコンドリアおよび核で加齢により増加し,運動後ではミトコンドリアで増加した。ミトコンドリア脱共役蛋白質(UCP3)は加齢群で著しく減少しており,運動によりさらに減少した。対照的にMn-SOD量は加齢により増加しており,運動後さらに増加した。加齢群のUCP3とMn-SODの間には負の相関があった(r=0.80)しかし,若齢群では運動によるUCP3とMn-SOD量への影響は観られなかった。加齢群ではミトコンドリアの8-OHdG値とMn-SODの間に正の相関(r=0.75)が,UCP3との間に負の相関(r=0.77)があったが,若齢群に同様の傾向は観察されなかった。以上の結果より,加齢に伴う骨格筋UCP3の減少が運動にともなうミトコンドリア酸化ストレスの増大に関連することが示唆された。
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Research Products
(1 results)