2010 Fiscal Year Annual Research Report
酸化ストレス亢進マウスを用いた水素分子による認知症予防効果
Project/Area Number |
22500680
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
西槙 貴代美 日本医科大学, 老人病研究所, テクニカルスタッフ (00465345)
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Keywords | 加齢、老化 / 水素 / 酸化ストレス |
Research Abstract |
加齢に伴う酸化ストレスの蓄積は、アルツハイマー病(AD)をはじめとする神経変性疾患の要因のひとつである。我々が開発した抗酸化物質である水素分子は、反応性の高い活性酸素種のみを選択的に還元し、生体内を自由に拡散することができる画期的な抗酸化物質である。本研究では、アルツハイマー病モデル動物であるミトコンドリア酸化ストレス亢進マウス(1)飢マウス)およびヒト変異APP高発現マウス(Tg2576)に水素分子を飽和させた水(水素水)を投与し、水素分子の長期投与が加齢に伴う神経変性疾患発症抑制に有効であるか否かを検討する。加齢による認知症予防に水素水の摂取が有効であることを実証できれば、老後の質(QOL)を改善することができ、その社会的意義は大きい。 1,DALマウスへの水素水投与実験 脳でAlDH2^*2の発現が認められた系統のDALマウスを水素水投与群、コントロール水投与群の2群に分けた。生後一カ月齢から水素水投与群には水素水を、コントロール群には水素水から撹拌により脱水素した水を飲料水として自由摂取させ、通常食で飼育した。1)学習・記憶解析:新奇物体認知試験(13-14カ月齢、17-18カ月齢の2回)、受動回避試験(17-18カ月齢1回)の2種類の試験を実施した。いずれの試験においても、水素水投与群において、学習、記憶能力の低下抑制が認められた。2)酸化ストレスの解析:酸化ストレスマーカーとして尿中8-OHTGと脳のMDAを測定した。いずれも水素水投与群で酸化ストレスが軽減していた。3)脳の組織学的判定:脳の海馬領域の切片を作製し、HE染色、免疫染色(4-HNE抗体、神経細胞、神経線維特異的抗体、アストロサイト、ミクログリア特異的抗体、タウリン酸化抗体など)を行った。 2.APPマウスへの水素水投与実験 Tg2576(APP+/-)マウスとその同腹仔(APP-/-)を購入し、それぞれを4ヶ月齢より水素水投与群、コントロール水投与群に分け、DALマウスと同様に水を自由摂取させ、通常食で飼育した。7ヶ月齢にて新奇物体認知試験を行なった
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