2011 Fiscal Year Annual Research Report
酸化ストレス亢進マウスを用いた水素分子による認知症予防効果
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22500680
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
西槇 貴代美 日本医科大学, 老人病研究所, マネージメントサポートスタッフ (00465345)
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Keywords | 加齢、老化 / 水素 / 酸化ストレス |
Research Abstract |
加齢による認知症予防に水素水の摂取が有効であることを実証すべく、引き続き二種類のアルツハイマー病モデル動物に水素水を長期投与し、水素分子の神経変性疾患発症抑制効果について検討した。 1.DALマウスへの水素水投与実験 1)生後1カ月齢から水素水を投与したDALマウスでは、水素水投与群で学習、記憶障害の改善、酸化ストレス蓄積の軽減、脳海馬領域の神経変性抑制が認められた。そこで成熟期以降に水素水投与を開始しても同様の効果がみられるか否かを確認するために、生後8カ月齢のDALマウスを水素水投与群、コントロール水投与群の2群に分け飼育した。17-18カ月齢において新規物体認知試験を行なった。生後1カ月齢から水素水を投与したDALマウスと同様に、水素水投与群で学習・記憶障害の改善が認められた。 2)DALマウスは酸化ストレスの蓄積により有意な寿命低下を特徴とする。そこで生後5カ月齢から水素水投与を開始したDALマウスで延命効果があるか否かを検討中である。 2.APPマウスへの水素水投与実験 Tg2576(APP+/-)マウスとその同腹仔(APP-/-)はコントロール群と水素水投与群のそれぞれ2群に分け、生後4ヶ月齢より水素水投与を開始した。新奇物体認知試験(7カ月齢、12カ月齢)、水迷路試験(12カ月齢)、Y迷路試験(12カ月齢)を行なった。新規物体認知試験において、水素水投与群のAPPマウスで学習・記憶障害の改善が認められた。13ヶ月齢で解剖後、脳の組織学的、生化学的解析(βアミロイド定量)を行った。APPマウスの水素水投与群で血中、及び脳のβアミロイド(1-40,1-42)の低下が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
水素水投与による学習記憶障害の改善効果が、DALマウス、APPマウスの両方で確認できたことにより、順調な進展であると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はDALマウスを用いて、認知症予防効果が得られる水素水投与開始時期を検討するとともに、水素水投与による延命効果が得られるか否かを検討する。また水素分子の投与方法について、簡便でより高濃度の水素を摂取可能な酸化マグネシウムの安全性について検討する。
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