2012 Fiscal Year Annual Research Report
男性更年期の記憶力や活動量の低下を緩和する運動トレーニングの検討
Project/Area Number |
22500682
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Research Institution | Ishikawa Prefectural Nursing University |
Principal Investigator |
長谷川 昇 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (10156317)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
望月 美也子 東大阪大学, 短期大学部, 助教 (20367858)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 男性更年期 / 記憶力 / 活動量 / 運動トレーニング / ストレス |
Research Abstract |
近年、中高年の男性にも女性の更年期と似た症状を呈することが明らかになってきた。アメリカ内分泌学会の定義では、「テストステロン低下で示される生化学的異常とそれに基づく症状・所見からなる症候群」とされており、androgen deficiency in aging male(ADAM)あるいはpartial androgen deficiency in aging male(PADA)と認定され、ADAM、PADMという診断名が用いられている。男性更年期の本邦における実態はどのような状況なのか、診断名をどうするのかなど、男性更年期に関しては、未解決な問題が山積みしており、男性更年期に関する報告は世界的に見ても数少ない。そこで、本研究では、男性ヒトボランティアによる、「運動トレーニング」が更年期のテストステロン低下にともなう記憶と行動生理学的変化を予防できるかどうかを明らかにすることを目的とした。 石川県K市に在勤・在住の成人男性(45歳から55歳)15名に対して、1回45分、週1回・12ケ月間の運動トレーニングを行い、以下の6つの項目を測定した。(1)身体活動量(日常生活の身体活動量を「活動量計」(タニタ)を用いて24時間記録した)(2)身体組成(運動教室の施期間の前後で、身体組成計(In Boby 230)にて身体計測を行い、運動教室の実施による身体組成変化を明らかにした)(3)骨密度(運動教室実施前に骨密度を測定し、骨強度の変化を明らかにした)(4)ストレスの程度(運動教室前後にて、唾液中ストレスマーカー、コルチゾールを測定した)(5)男性ホルモン量(運動教室実施期間の前後で、男性ホルモンであるテストステロンを測定した)(6)意欲の指標(標準意欲評価法(CAS)により判定した) これらの測定結果から、被験者全員の意欲の指数が増加した。また、身体状況として、歩数の増加と体脂肪の減少量に負の相関が認められた。さらに、60%の被験者は、ストレスマーカーであるコルチゾール量が減少し、男性ホルモンであるテストステロン量が増加した。 以上の結果を総合すると、今回行った運動指導は、男性更年期の好発年齢である45歳から55歳の健康意識を高め、ストレスの減少と意欲の向上をもたらし、男性ホルモン量を増加させることが明らかとなった
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