2012 Fiscal Year Annual Research Report
ワクチンによる糖尿病患者における水痘帯状疱疹ウイルス特異的免疫反応の検討
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22500686
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Research Institution | The Tazuke Kofukai |
Principal Investigator |
羽田 敦子 公益財団法人田附興風会, 医学研究所 第4研究部, 研究主幹 (70321685)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 水痘帯状疱疹ウイルス / 水痘ワクチン / 糖尿病 / 帯状疱疹 / 皮内テスト / ELISPOT / ウイルス特異的免疫能 / 帯状疱疹ワクチン |
Research Abstract |
【研究の目的】帯状疱疹(HZ)のリスクの高いDM患者の水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)細胞性免疫を賦活化し、HZを予防できる可能性がある。水痘ワクチンを接種し、VZV特異的免疫能を増強できるか否かについて検討した。 【研究の概要】50名のDM病患者をワクチン(V)群とプラセボ(P)群の2群に分け、二重盲検試験を行ない、副反応及びVZV抗体価とVZV抗原による皮内テストとELISPOT法により、安全性と有用性を評価した。皮内テストはスコア0-3の4段階評定とし、ELISPOT法ではVZVによる反応細胞数からコントロールの反応細胞数を減じた数を比較した。 【研究の結果】①24年度までに62名を登録し、54名に接種した。V群27(M13、F14)名、平均65.8歳、P群27(M17、女F10)名、平均66.7歳であった。接種42日後までの全身性副反応はなかった。接種後1年間にHZの発症はなかった。②皮内テストの平均±S.E.はV(n=25):接種前1.1±0.9、接種3か月後1.5±1.0、P(n=27):接種前1.1±0.9、接種3か月後1.3±1.1であった。接種前後のスコアV(n=25):0.4±0.8、P(n=27):V:接種前0.1±0.9 (p=0.18)であった。③ELISPOT法はV(n=26):接種前70.8±8.8、接種3か月後72.4±42.1、P(n=24): 接種前64.5±8.7、接種3か月後75.7±50.6であった。変化率はV:1.8±2.8、P: 3.6±6.9で両群間に有意差はなかった。④Log2抗体価はV(n=25):接種前4.4±1.5、接種3か月後4.6±1.4、P(n=27): 接種前4.5±1.6、接種3か月後4.4±1.5であった。変化率はV(n=24):1.1±0.2、P(n=24): 1.0±0.2で両群間に有意差はなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
接種は平成22年度から平成25年4月までとしたが、既にエントリーが終了した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究を遂行するに当たり、皮内テストの結果に基づいて統計学的有意差が見込めると予測した50名では、実際にワクチン群とプラセボ群に有意差が出ない場合には、実施人数を増やすなどの研究計画の変更の可能性がある。24年度までの結果を評価したところ、有意差がないため、現在サブ解析を行い、その原因を探っているところである。さらに、効果のありそうな対象を抽出することにより、次の臨床試験の企画にも関わると思われる。平成25年4月までに被験者数が揃っているので、終了し、結果を公表するか、登録期間の延長を行う予定である。
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