2010 Fiscal Year Annual Research Report
能動的音楽療法による高齢者の口腔機能向上効果に関する疫学的研究
Project/Area Number |
22500688
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Research Institution | National Institute of Public Health |
Principal Investigator |
三浦 宏子 国立保健医療科学院, 部長 (10183625)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
守屋 信吾 国立保健医療科学院, 口腔保健部, 室長 (70344520)
安藤 雄一 国立保健医療科学院, 口腔保健部, 室長 (80168046)
江藤 亜紀子 国立保健医療科学院, 口腔保健部, 室長 (50291125)
原 修一 九州保健福祉大学, 保健科学部, 准教授 (40435194)
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Keywords | 加齢・老化 / 口腔機能 / 音楽療法 / 音声分析 / 健康関連QOL |
Research Abstract |
目的:本年度の研究では、最長発声持続時間(MPT)や音節反復検査(オーラルディアドコキネシス:OD)などの能動的音楽療法を遂行する上での不可欠な口腔機能を評価するとともに、これらの測定値との高齢者の自立度との関連性について調べた。 方法:対象者は、宮崎県北部地域の高齢者83名(男性18名、女性65名)である。基本属性以外の調査項目は、要介護の有無とMPTならびにODである。OD評価にあたっては、一般的に用いられる3つの単音/pa/、/ta/、/ka/以外に、これらの単音を組合せた複合音/pataka/を用いた評価を今回新たに導入し、1秒あたりの音節の反復回数を計量した。また、自立高齢者と要介護高齢者における口腔機能の比較においては、性別や年齢といった交絡要因を調整するために共分散分析を行った。 結果および考察:自立高齢者と要介護高齢者において、有意差が認められたOD評価値は、単音/ka/(P<0.05)と複合音/pataka/(P<0.01)であった。一方、MPTならびに/pa/と/ka/のOD評価値については、両者間にて有意差は認められなかった。本研究の結果より、高齢者の発声・発語機能に着目した口腔機能評価において、複合音/pataka/のOD評価は有効なツールになる可能性が示された。次年度以降に実施する調査においても複合音/pataka/の評価を行い、歌唱に代表される能動的音楽療法の口腔機能に与える影響について調べる予定である。
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Research Products
(4 results)