2010 Fiscal Year Annual Research Report
父親のライフスタイルが子どもの生活習慣に及ぼす影響-生態学的アプローチから-
Project/Area Number |
22500697
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
冬木 春子 静岡大学, 教育学部, 准教授 (60321048)
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Keywords | 生活習慣 / 親子関係 / ライフスタイル / 子育て支援 |
Research Abstract |
本研究の目的は、父親のライフスタイルが幼児の生活習慣に及ぼす影響について、生態学的アプローチ(エコロジカル・システム・アプローチ)から明らかにすることである。幼児期の子どもにとって、睡眠-覚醒リズムが規則正しく行われていることは食事習慣や遊びなどの生活全般に影響を及ぼすと考えられ、そのために親の「育児力」が重要になる。 今年度は以下の二点から研究を行った。第一は、先行研究の見直しと概念整理を行うため、家族研究(主として『家族関係学』)に関する研究レビューを行った。そこから、家族関係学研究においては社会学的アプローチに加え発達科学の視点を取り入れるアプローチの重要性が示された。第二は、静岡市内の公立保育所に勤務する主任保育士を対象として、「保育士からみる子どもの生活リズム」に関する質問紙調査を行った。結果からは、親の就労終了時間が遅延化し、「夜勤」などの多様な勤務形態が見られる状況において、子どもの生活時間が夜型化し、親によっては時間的余裕がなく子どもに丁寧に関わることができず、子どもよりも親のペースで生活するだけで精一杯であるという現状が明らかにされた。親自身も子どもの生活リズムを整えたいと考えているもののそれが難しい現実にあり、葛藤していると考えられた。以上から保育所では、理想通りにいかない「生活リズム」を親と共に考え、親自身が生活を改善しようとする気持ちや態度を育てることが重要であり、親の「目指しているけれどできない」とする葛藤を受けとめながら、子どもを含めた家族全体を支援していくことが求められる。
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