2013 Fiscal Year Annual Research Report
父親のライフスタイルが子どもの生活習慣に及ぼす影響-生態学的アプローチから-
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22500697
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
冬木 春子 静岡大学, 教育学部, 教授 (60321048)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 父親 / 母親 / ライフスタイル / 保育所児 / 睡眠習慣 / 子育て支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は父親および母親の生活時間や育児行動というライフスタイルが、保育所児の睡眠習慣に及ぼす影響を明らかにし、親と子のウエルビーイングに焦点を当てた家族支援のあり方について考察を行った。 地方都市A市B地区における保育所児とその保護者を対象として質問紙調査及び睡眠調査(day by day plot法)を行い、次の知見が明らかにされた。第一は、子どもの22時以降の遅い就寝時間には母親の「帰宅時間」「起床時間」「睡眠管理」が影響要因であった。一方、父親について影響要因は見いだせず、子どもの睡眠習慣形成において父親は「不在」であることが指摘できた。第二に、子どもの睡眠の問題として、「遅寝」「寝つきが悪い」「眠りが悪い」は母親の育児ストレスを強めていくことが明らかにされたが、「父親」については「寝つきが悪い」ことが育児ストレスを強めていくだけであった。つまり、子どもの生活習慣形成は、母親に役割や責任が集中しており、それだけに子どもの睡眠に問題が生じると母親の心理的健康も損なうことが示唆された。この背景には、父親の働き方の「多様化」や我が国における母親と子どもの「同室就寝」や「母子一体」を重視する育児観の流布が指摘てきる。 次に、子どもの睡眠‐覚醒リズムに着目し、保育所児の睡眠習慣を4類型に分類した。類型Ⅰ「睡眠リズムが一定である群」、類型Ⅱ「週末に睡眠リズムが乱れる群」、 類型Ⅲ「全体的に睡眠リズムが乱れる群」、類型Ⅳ「夜更かし傾向のある群」である。この睡眠習慣類型にみる保育所児の特徴は、類型Ⅰが約52%であるものの、類型Ⅳが約30%、類型Ⅱが約10%、類型Ⅲ約5%であり、睡眠習慣に改善を要する保育所児が約50%であった。睡眠習慣は個人差が大きいため画一的な対応では解決しない。保育現場では、本研究で示した睡眠習慣類型により子どもの睡眠を把握し、類型に応じた家庭支援を行うことが望まれる。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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