2010 Fiscal Year Annual Research Report
育児困難な親子への支援に関する思春期までの縦断的研究:経済格差・発達障害を中心に
Project/Area Number |
22500701
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Research Institution | Osaka Chiyoda Junior College |
Principal Investigator |
神田 直子 大阪千代田短期大学, 幼児教育科, 教授 (30117783)
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Keywords | 保育学 |
Research Abstract |
第1に、第6回目の調査内容の設計を代表者と連携研究者山本理絵愛知県立大学教授とが行った。会場は愛知県立大学山本理絵研究室。他の連携研究者からも、新しい質問項目や削るべきものについての指摘をメール送受信により受けた。 その検討にもとづき、平成23年(2011年)3月に、第6回目の縦断調査を行った。全発送数は、543通(これまでの回答者で「次回協力してもよい」と答え、住所氏名が明記されていた人)であったが、「あて名不明」で返送されたものが4通あり、5年の親子250部、6年23部、中学1年266部に送付したことになる。うち、現在(4月28日)のところ回答があったのは、486部(回答率90.2%)である。その結果は、23年3月~5月にかけてデータ入力し、分析・論文化する予定である。 第2に、第5回までの調査結果を縦断的に分析し論文として公表した。乳児期から学童期までの縦断的分析によると、学童期の子どもの発達障害傾向(疑いも含む、以下同じ)は、低学年と高学年の間には強い相関がみられ、幼児期との間にも相関がみられた。しかし、1歳との間には相関がないか、弱い相関しかみられなかった。だが、中には乳児期の「子育ての難しさ」が、学童期の発達障害傾向として継続していくケースもみられ、そのような問題傾向が減少していく場合とそうでない場合との「変化分岐の規定要因」を明らかにしていく必要がある。 第3に、親が子どもの障がい傾向を認知する際にどのような過程を経て子育てに対して正の感情を抱くのかについて分析を行った。社会的援助資源の活用・必要性は母親罪障感の喚起に強い影響を与え、母親罪障感はまた子育て充実感に強い影響を与えていることが示唆された。
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Research Products
(2 results)