2012 Fiscal Year Annual Research Report
女性、特に妊産婦に対するPOCTを用いたインパクトのある継続的な禁煙支援法の構築
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22500703
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
平田 紀美子 日本医科大学, 医学(系)研究科(研究院), テクニカルスタッフ (70445815)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川田 智之 日本医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00224791)
稲垣 弘文 日本医科大学, 医学部, 講師 (50213111)
勝又 聖夫 日本医科大学, 医学部, 助教 (80169482)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 禁煙支援 / 唾液 / POCT / 妊産婦 / タバコ煙 / HPLC / ニコチン / コチニン |
Research Abstract |
本研究はタバコ煙中ガス成分測定をPoint of Care Testing(POCT)という概念として捉え、女性、特に妊産婦の禁煙支援や禁煙アドバイス・受動喫煙防止のための新しいツールとして用い、その禁煙支援や受動喫煙防止の効果の有用性を検証し、タバコ煙曝露の健康影響を継続的にアプローチする方法の構築を目的としている。 当該年度は協力の得られたH23年新入学の看護学生83名(男性3名、女性80名)を対象に、タバコや喫煙に関する意識の変化を防煙教育特別講義の前後及び12ヶ月後と20ヶ月後に、加濃式社会的ニコチン依存度テスト(KTSND ver.2.1)等を用いて調査した (解析対象者:非喫煙女子学生) 。特別講義の内容は、タバコに関する講義と、ガス検知管を用いたタバコ煙(主流煙、副流煙)中のガス成分(一酸化炭素及びアルデヒド類)測定を実施した。20ヶ月後には、再度講義を行った。 結果は、『特別講義の内容を覚えているか』との質問に、12ヶ月後の調査で約7割、20ヶ月後では6割の学生が覚えているまたはやや覚えていると回答した。また、KTSND(30点満点で、依存が認められるほど高得点)の得点は、実習前が最も高く、実習後に最も低値となった。12ヶ月後、20ヶ月後と時間が経過とともに得点は上昇したが、20ヶ月後に再び講義を行った後の調査では、わずかではあるが低くなっており、POCTとしてタバコ煙中ガス成分の測定を取り入れた繰り返しの防煙教育の重要性がうかがえた。 また、協力の得られた自治体が行っている両親学級では、呼気中一酸化炭素濃度の測定をPOCTとして取り入れ、カップルでの喫煙状況や喫煙に関するアンケート調査を行った。さらに、受動喫煙を危惧している妊婦や希望者に対してHPLCを用いて唾液中コチニンを測定し、結果をフィードバックした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
POCTの一つとしてタバコ煙中ガス成分分析を用いた時の禁煙・防煙教育の効果とその持続性を検証することができた。次年度も看護学生を対象とした防煙教育の実施と、教育効果及び持続性を検証することが可能である。 また、協力の得られた自治体が行っている両親学級では、POCTとして呼気中一酸化炭素濃度の測定を実施し、カップルでの喫煙状況や喫煙に関する意識等アンケート調査を行うことができた。さらに喫煙の健康影響に関するレクチャーや唾液の採取も進み、唾液中のコチニン測定結果をフィードバックしている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き女性・妊産婦を対象にPOCTを用いた禁煙支援、防煙教育を行う。これまでの調査では、妊娠中の喫煙者はいなかったため、出産後の受動喫煙や再喫煙に関するアンケート調査を行う。また、妊産婦は非喫煙者であるが、パートナーが喫煙者である場合は、パートナーを対象にNicAlert試験紙を用いた場合のPOCTの検証を行う。 今年度は本研究の最終年度になるので、これまでの調査結果等をまとめていく。
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Research Products
(3 results)