2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22500708
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Research Institution | Mukogawa Women's University Junior College Division |
Principal Investigator |
岸本 三香子 武庫川女子大学短期大学部, 食生活学科, 講師 (80312130)
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Keywords | 幼児 / 生活習慣 / ストレス / コルチゾール / 唾液 / 食事 |
Research Abstract |
<目的>本研究では、幼児の睡眠覚醒リズムの実態を調査し、それらと食事・運動などの生活習慣および健康状態、さらに幼児のストレス対応との関連を明らかとすることである。昨年の調査では、起床状況が幼児の健康状態や体温調節機能に影響を示す知見を得た。本年は、幼児の睡眠覚醒リズムの実態と唾液ストレス指標(コルチゾールおよび分泌型免疫グロブリンA(s-IgA))を測定し、生活習慣や食事摂取状況との関連を検討した。<方法>保護者の同意が得られた幼稚園に通園する5歳児7名を対象とした。睡眠覚醒リズムに関するアンケート調査、体温および唾液コルチゾールおよびs-IgAの測定:9月の3日間実施した。体温は1日7回測定し、唾液は起床時、登園時、降園時、就寝時の4回採取し、測定に用いた。食事摂取状況調査:3日間の食事内容を保護者に記録を依頼した。また、幼児の活動水準を把握するため、1週間ライフコーダ(生活習慣記録器:株式会社スズケン)により、歩数を測定した。<主な結果>幼児の平均就寝時刻は21時16分、平均起床時刻は7時9分、平均睡眠時間は9時間54分であった。平均歩数は平日14000歩、休日は17000歩であった。朝食を食べる幼児は7名、夜9時以降に外出することがある幼児は1名など、生活習慣は良好であった。唾液コルチゾールは、起床時に最も高く、その後減少し、就寝時に最も低くなる傾向を示した。s-IgAも同様の傾向を示した。起床状況により自然に起きる幼児と起こされて起きる幼児に分けて検討を行った。自然に起きる幼児のコルチゾールおよびs-IgAは、起床時が最も高く、その後激減したが、起こされて起きる幼児では、登園時にかけて上昇する者が見られるなど、減少が緩慢であった。食事摂取状況では起こされて起きる幼児は朝食時に食欲がなく、朝食のエネルギー摂取量は少なく、有意に1日のカルシウム摂取量が少なかった。以上の結果より、幼児期の自立起床は、基本的生活習慣の確立に重要であると推察されたが、それには食事内容も関連する事が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査内容が詳細、多岐に渡るため、対象者の確保に苦慮している。
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Strategy for Future Research Activity |
幼児の睡眠覚醒リズムと保護者との関連を検討する。また、対象者の人数を増やすことに努める。
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