2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22500709
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
生野 晴美 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (80110732)
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Keywords | 衣服 / 熱ストレス / 冷却 |
Research Abstract |
暑熱環境で密閉型衣服を着用して活動する場合、人体に加わる熱ストレスの軽減が最重要課題であり、密閉型衣服の温熱的快適性を改善するための簡易で安価な冷却装置が求められている。その開発指針を得るために、前年度に作成して冷却特性を確認したモデル装置をもとに、第二段階として試作型冷却装置を作成し、着用実験により冷却効果を評価した。 体温調節および行動判断を担う部位を保護する観点から、頸部から頭部を水冷する簡易な冷却装置を設計し、ポリエステルニットとナイロンチュールの間にシリコンチューブを縫いつけて冷水を循環させる水冷被服を作成した。水冷被服を皮膚に密着させる装着方式に合わせて、水温は水冷被服の流入部で18℃とした。また、実装型を想定して、水循環ポンプは電圧12Vで駆動し、流量63m1/分を得た。 暑熱環境の人工気候室内で、試作水冷被服を被験者に装着してもらい、エルゴメータ運動20分及び前後5分の休息における身体の熱負荷について、皮膚温、外耳道温、衣服内温湿度、脈拍数、温熱感、湿潤感の変化を測定した。 試作水冷被服は平均皮膚温0.2℃、頸部1.7℃、外耳道0.5℃の温度上昇を抑制することが確認され、水温と流量から推計した期待値とほぼ同等の冷却力を有することが検証された。試作水冷被服は蒸れ感の軽減にも有効であった。試作型冷却装置の特性を把握できたことから、実装型冷却装置を設計するための課題を確認することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
22年度に作成して冷却特性を確認したモデル装置をもとに、第二段階として試作型冷却装置を作成し、着用実験により冷却効果を評価した。実装型冷却装置の作成に向けて、設計上の課題を確認できた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の結果を踏まえて、実装型冷却装置を設計・作成し、フィールドテストにより冷却効果を評価する。官能評価をもとに作業性と運用方法も検討し、3年間を総括して、実用性のある冷却装置の開発指針をまとめる。
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Research Products
(3 results)